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1/∞の世界で  作者: スマイロハ
王冠は常に冠ってる訳じゃない。の章

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15/47

ぬいぐるみとか置き物とか、何故かずっと部屋にある。

私だけの特権とは思っていませんが、転生者が他にも居るとは。

勇者様は転生特典とか持ってるんですかね。

私だったら、最強の魔法とか伝説の剣とかじゃなくて良いので、便利なのが欲しいです。階段を一段飛ばしで上り下りしても一段ずつの時と疲れ方が変わらなくなる靴とか。

「ネムアちゃんっ!」

「ぅぇっ。」

ティアお姉ちゃんですか。

急に抱き付かないでください。転びそうになったじゃないですか。

「ネムアちゃん!お姉ちゃんとお化け屋敷デートしよ!」

デートは良いですけど、お化け屋敷って何ですか?

異世界のお化け屋敷って何があるんでしょうか。ガチのお化けが運営してそうですよね。

そもそも幽霊は存在するんでしょうか。

ああでも、お化けって妖怪とかも入りますもんね。何なら吸血鬼も。

吸血鬼がお化け扱いなら…私たちは何を見て驚けば良いんですか?

「お化け屋敷があるんだよ!肝試しに行ったカップルが次々と…。」

「行方不明に…!?」

「吊り橋効果で仲良くなってるの!!」

ホラースポットじゃなくて恋愛スポットなんですね。

「さあ着いたよ!このお屋敷がお化け屋敷なんだって!」

寂れた森の洋館ですね。いかにもって感じです。

テンション上がりますね〜。テーマパークに来たみたいですよ。

「入るよ…。」

中は意外と明るいです。窓が大きいからですね。

と言うか昼間に来る場所では無い様な。

「?夜の森は危ないでしょ?」

シスコン以外はまともですからね。

「…。ネムアちゃん。」

「…何?」

「ドア閉めたんだ?偉いね。」

「…?閉めてないよ?閉めたのお姉ちゃんでしょ?」

「お姉ちゃんは閉めてないよ。…ネムアちゃんじゃ無いなら誰が閉めたの?」

「このお屋敷の人…とか?」

「…その人って人なの?」

「元は多分。」

「…。」

…どうしましょうか。

窓破りましょうか。壊しちゃ駄目ですか。

あっ。内側からなら開けられますよね。ドアですもん。

こうやって内鍵を開けて…ドアノブを回せば…ほら!

「…ドアノブ取れたよ。」

古そうなお屋敷ですからねぇ…手入れする人も居ないでしょうし、仕方ないですよ。切り替えて行きましょう!

「他に出入り口ってあるのかな。取り敢えず一階から回ってみよっか。」

ここは…キッチンですか?広いですね…。

「ナイフあるよ。ちゃんと片付けてあるけど。…引越しした訳じゃなさそうだね。」

夜逃げとかでしょうか。出口は無いみたいですね。

次の部屋に…「ドッ」

お化けがピアノ弾いてますよ。

「いや、ネムアちゃん?それ、ナイフ…飛んで…。」

ああそれで!

随分近い場所で音鳴ったなぁって思ったんですよ!

「イィヤァアアアアアアアアアア!!!!!」

「すみません!すみません!すみません!!」

「ワザとじゃないんです!!ドアノブの壊したのはワザとじゃないんです!!信じて下さい!!!!」

酷い目に遭いましたよ。

絶対そのナイフ投げの方がお屋敷を傷付けてますって。

よく見れば至る所に傷や血が…。

「これはまた本格的な…。」

「どっちかと言うと『実戦的』じゃない?」

次は浴室ですね。

でっかぁ…//小さなプールですよこれ。

水出るんですかね。

「ネムアちゃん…。お姉ちゃん暗くて良く分かんないんだけど、これって水かな?」

水にしてはドロドロしてる様な…あっ。

ジャンクフードばっか食べてるからですよ!ちゃんと野菜も食べないと!

「ネムアちゃん。なんかめっちゃ水量増えてるんだけど。水では無いけど。」

「吸血鬼にとっては楽園だね。…ドロドロなのはダメダメか!こりゃ一本取られたな!」

「根本から間違ってるよ?」

じゃあ止められなさそうなんで出ましょうか。何も無かったと言うことで。

…あの、すみません。出してもらっても良いですかね。そう言うの良く無いですよ?

…良く無く無く無いですよ?無いですよ?

「…ネムアちゃん。捻ってないとこからも出て来るんだけど。排水口からも溢れて来るんだけど。」

ヤバい。

真面目な事言いますと、血を飲むと加護が切れて吸血鬼に戻っちゃうらしいので飲めないんですよ。自分の血でも切れるので、これが本物の血なら間違いなく切れます。

一応、本物なら血を飲んだ時の回復能力で死ぬ事は無いと思いますが…。その後殺されるので結局死にますね。

「もう膝まで…しょうがない。ネムアちゃん。お姉ちゃんの爆弾で壁吹き飛ばすから下がってて。」

下がりました。

「いくよ…はいドンッ!」

「ドンッ!」

壁壊したら、血無くなりましたね。偽物だったんでしょうか。

それはそうとベトベトで気持ち悪いです…。服の分も消えてくれれば良かったのに…。

はぁ…。次に行きましょう。

次は食堂。

ですけど何も無いですね。テーブルクロスがボロボロなくらいですか。

「驚きはあるけど怖くはないね。二階行こっか。隠し部屋のヒントとかあるかも。」

楽しんでますねぇ…。

恐怖と驚きは似てますけど違うんですよね。

恐怖には嫌悪感が必要なんですよ。驚きにあるのは怒りなので、似ても似つかないんですね。

ホラーもざっくりジャンル分けした方が良いんですかね。正直、ジャンルはもっと多くて良いと思います。二つ以上の組み合わせで分けるシステムでも良いと思います。その方が、受け手も調べやすくて分かりやすいですからね。

多過ぎるのは駄目ですが。

と言う訳で、多過ぎるのがこの本たちです。

二階の書庫ですね。ハシゴを使って本を取るの、オシャレだとは思いますが不便ですよね。ハシゴの移動は疲れますし。ハシゴを増やすと邪魔ですし。

それでもやる理由はそう、カッコいいから!!

「これは探すの無理だね…。」

管理している人が居ないですからね。館の主人ならある程度分かるんでしょうが。

「主人か…。お化けが居るなら、やっぱり寝室だよね。寝てる時金縛りにしようとするもんね。よし。一番大きい部屋探そ!」

角なんですかね。やっぱり。

南側だとは思いますが。

「…!」

「もう…。ネムアちゃん?お姉ちゃんが握っててあげるから、怖くないよ。」

「お姉ちゃん…?それ…私のじゃないです…!」

「えっ?じゃあこの手何ですか?」

『……け』

「け?」

『出て行け』

「出て行け!!」

「許してあげて下さいお化けさん悪い人じゃないんですちょっとシスコンなだけなんですただ変態なだけなんです!!」

「姉妹ってそう言うものじゃ無いの!?」

「ジルミお姉ちゃんに毒されてんの!!」

「関係無いよ!!お姉ちゃんは姉妹の事が大好きなの!!この気持ちは…私自身のもの。」

「お姉ちゃん…。」

「ネムアちゃん…。」

「尚更ダメじゃん。」

「やっぱダメか。」

ジルミお姉ちゃんと違って、ティアお姉ちゃんは常識を持った上でやってるのがタチ悪いんですよね。妹たちに伝染しないと良いですけど。

…多分伝染するんでしょうね。私も大概その気ありますし。私の場合は前世問題で少し違いますが。

「ちょっと…ホントに出て行ってよ…。」

ああお化けさん。すみませんねうるさくして。

「大体アンタ達何なの!?驚いてる様で驚いてないし!恐怖を感じて貰わないと私が困るんだけど!」

何で困るんです?

「私は幽霊なの!恐怖の感情が生き甲斐なの!死んでるけど!驚かせようと思って頑張ってるのに!浴室だって、ちゃんとギリギリで止めるつもりだったのに壁吹き飛ばすて。何で爆弾なんか携帯してるのよ。普通さぁ。廃墟でもモラルってものがあるでしょ?人の家吹き飛ばさないでよ…。」

「「すみません…。」」

「もう良いわよ…。て言うか、アンタ達血液蛇口にビビって無かったわね。魂の感じも変だし…。私そう言うの分かるのよ。幽霊だから。えっとこれは…吸血鬼?」

「えっ吸血鬼!?Vannpaia!?ちょっ、私血とか通って無いからね!?」

ちゅーちゅーしませんよ…。昼間に来てる時点で普通の吸血鬼じゃないこと分かるでしょう。

「家族のため…死んでもらう…!!」

「お姉ちゃんストップ!!」

幽霊って魂だけの存在なんですよね?肉体が無い分、契約の魔法が良く効くはずです。

「受けてくれますよね?」

「受ける!受けるから!だからその謎のアイテムを仕舞って!!受けるからぁ!!」

…これで大丈夫です。お姉ちゃんのアイテムで強めのが出来ました。

「…ねぇ。アンタ達って、何だったら怖がってくれるの?今後の参考にしたいのよ。」

そうですね…。

人は理解出来ないことに恐怖を抱きます。

理解出来ない絵。理解出来ない行動。理解出来ない状況。そう言うものと自分自身が関わり合いを持った時、人は「得体の知れない恐怖」を感じるのです。

「例えば?」

「『今まで洋館に居たのに、気付いたら全然知らない場所に立っていた。』とかでしょうか。その先で命に危険があると尚良いですかね。」

「良いわねそれ。えいっ!」

「は??」

ここは…山?なんか見覚えある様な。

「キー!」

おやぁ?レッドドラゴンの赤ちゃんじゃないですか。

何とも人懐っこい。

「その子ってさぁ、タマゴ()じゃない?…やっぱタマゴ()だよ!ネムアちゃんにめっちゃ懐いてるし!」

「わー。昨日振りー。」

「キー!」

「うんうん可愛いねー。」

「ギャーーーーーー!!!!」

「うんうんピンチだねー。」

お母様来ちゃったぁ…。

「ネムアちゃん走って!!」

「どこに!?」

「あそこ!!何かワープしそうな扉ある!!」

あの…そう言うの辞めて欲しいんですけど。

やっぱり消しますか。悪霊って、お祓いした方が良いんですよ。ご存知ですか?

「待って、冗談だから、ちゃんと怪我する前に戻すつもりだから。」

次は無いですよ。

「すみません…でもこれで感情動かないんだ。感情って言うか魂だけど。凄い度胸ね…。」

「私の魂を動かすのはいつだって姉妹達だからね…!」

動かされ続けて、その内オーバーヒートしそうですね。

熱出しても看病しませんからね。

「えぇぇ!?しぃてぇよぉ!!してしてぇ!!」

「ジルミお姉ちゃんがしてくれるよ頼まなくても。」

「ネムアちゃんにもして欲しいの!!」

「やだ。」

「お姉ちゃんもやだやだやだやだやだやだやだやだ!!やだ!!」

「何やってるのよ…。」

それは置いといて、ドラゴンはやりすぎじゃ無いですか?ナイフ投げポルターガイストも、幽霊に対する恐怖と言うより死への恐怖ですし。

「そう?だったら何か良い案無い?私こう見えて強い幽霊だから、色んなこと出来るわよ。」

案ですか…。

前世の世界ではどんなのが流行ってましたっけ?

ホラーの基本は追われる恐怖ですけど、単純に洋館内で鬼ごっこでもしてみます?霊ですけど。

『待て〜』

「きゃー。捕まるー。ここでパワー全開!イチゴ人を右に!」

『ぐわ〜』

「ちょっと。」

「何ですか?今折角イチゴ人を右にしたところなんですけど。」

「イチゴ人て何よ!!それにこの青い着ぐるみは何!?何で着ぐるみを着る必要があるのよ!!何かキャッチーで全然怖く無いんだけど!?」

ブルーベリーの怪物に追いかけられる名作があるんですけどね…。

だったら次は…。

『あ“〜』

「マジかよ…。ばしゅ!ばしゅ!」

『ぐわ〜』

『しかし私が倒されても第二第三の幽霊が貴様を襲う〜かゆ…うま…』

「…ねぇ、ここ洋館よ?こんなに沢山の矢があったら不自然じゃない?」

「難易度上げた方が良いですかね?矢切れ防止で気持ち多めに配置したんですけど。」

「お化け屋敷に難易度なんか要らないわよ…。後そこの【錬金術師】、扉に変な鍵を付けるの辞めて。鍵を隠す鍵を隠す鍵も辞めて。」

文句が多いですね。

ただ歩くだけのホラゲーなんてゲームじゃないんですよ。ゲームを名乗るならゲーム性が無いと駄目なんですよ。

じゃあ何ですか?ホラゲーじゃなくてホラー映画が良かったんですか?だったらそう言って下さいよめんどくさい。

映画ですね…。

「こっ、この絵画は…!?」

『来〜る〜』

「これは結構良いわね…。絵画から出て来るって考えもしなかったわ。さっきまでと違って衣装も普通だし…。」

マジですか。

じゃあ次はこれやりましょう!

『…八枚…九枚…』

『一枚足りな〜い』

「そりゃそうでしょ割ったんだから。一枚割ったら一枚足りなくなるのは当然よね?どう言う意味なの?これ。」

定番中の定番だったんですけど…。

やっぱり文化が違うとウケないんですかね?

「…ねぇねぇ。」

ティアお姉ちゃんどうしました?

「結局さ?このお屋敷に近付かなければ怖くないじゃん?驚かせたいなら街まで行った方が良くない?」

「あら確かに。盲点だったわね。」

え、地縛霊じゃないんですか?

離れられるんですか?

「雰囲気が怖いから住んでるだけだけど?」

えぇ…。

「そうと決まれば、王都オーの街に引っ越しよ!じゃ、また街で会いましょ。ご機嫌よう。」

「ご機嫌よう…。」

マジで行っちゃいましたよ。

街に行っちゃうと除霊されそうですけど大丈夫なんですかね。

「ネムアちゃん!私たちも帰ろ?」

そうですね。

デートでは無かったような気もしますが、楽しかったのでヨシ!

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