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1/∞の世界で  作者: スマイロハ
鬼ごっこの追う方は鬼。逃げる方は何?の章

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14/47

口の中をズタズタにしてでも食べたい味がある。

隕石を落とせるから流星です。

好感度も落ちそうですが、勝てれば良いんです。

魔王軍の侵攻は暫く続きましたが、当初の想定より早く撤退しました。

鬼族の国への襲撃は近隣諸国に伝わり、複数の種族が魔族に対抗するため協定を結びます。私の故郷もその一つです。聞くところによると、チョー強い勇者様が居るとか。

王都に行ったことないので良く知りませんが。

しかしそうなると、王都まで行ってみるのも良いですね。

まあその前に移動手段を確保したいです。せめて私がもう少し大人ならマシだったんですけどね。まだ11ですから。

…ああ、11と言うのはですね。先の襲撃で魔王軍に破壊された港の復旧が終わるまで国を出られなかったからです。結局半年以上滞在してしまいました。

その間、鬼族の国で観光できるところには全部行ったのですが、嵐の影響もあって微妙でしたね。言い方が悪いのは認めます。完全な復旧はまだ先の話になりそうです。と言う意味です。

ですが港も使える様になりましたし、これでまだ見ぬ世界へ旅立つことが出来ます。

ありがとう鬼族さんたち!また会う日まで!

「拙者も行くでござる!!」

「ダメです。」

サヨさんは母上に止められています。

「まだ成人もしていない子にリーダーを任せる自堕落ぶり…そんな者を国から出す訳には行きません。」

私は「大丈夫ですよ。」と言いたかったのですが、ほんの少し言い淀んだ内に話が進んでしまいました。

サヨさんと別れたくなかったんですけどねー。

…まあ半分くらいは本当です。

「可愛い子には旅をさせるのが親と言うものでござる!!拙者は行くでござる!!」

それは親子間で使う言葉ではありませんよ。

「一人で行き倒れかける者が、慣れない異国の地で奉公など出来ようがありません。国の中ならと送り出しましたが、あの時の私はなんと愚かだったのでしょう。一から鍛え直さねば…。」

良かったじゃないですかサヨさん。強くなったら改めて守りに来てください。

「断るでござる!!まだ全然恩を返していないでござる!!」

何だかんだで二人旅は楽しかったですよ?

私からすれば美人な方と共に旅が出来たこと、それだけで充分返していただいてますが。

「ではサヨ。あなたの持ち物を全て売り、そのお金をネムアムさんに差し上げる事にしましょう。それだけのお金があれば多少の恩は返せるでしょう?ただ…あなたは服も持っていない事になりますね…。これでは旅に出るなど無理な話…そうだ!私の下で働けば良いのです!そうして稼いだお金で旅へ出ると良いでしょう。しかしその頃には、ネムアムさんはとっくに旅立たれているでしょうね…。残念ですね。」

「さいつよむてき丸がぁぁぁぁ!!!!」

50万デュラ…。ありがとうございます…。

「あー、サヨさん。あなたの気持ちは受け取りました…さようなら。」

「さようならでござる…!!うぅ…。」

旅とは別れの連続です。

望まぬ事もあるでしょう。納得のいかない事もあるでしょう。

それでも別れの時が来ます。

ひとつひとつ、後悔せずに楽しみましょう。別れを楽しめる様になれば、あなたは立派な旅人です。

…なんかすみません。

さて!気を取り直して次の目的地です。

次はやっぱり王都にします。人族のです。

一度行ってみたかったんですよ。シロの里は栄えていましたが、王都はもっと凄いらしいんです。

勇者様も一回くらい見たいんですよ。

鬼族の国を出る前、お婆ちゃんに聞いたら女性だそうです。「言われてみれば美人じゃったな。」だそうです!!

男性が嫌いな訳ではないですよ?ただ、男性の美と女性の美は違うんですよ。私は女性の美が好きなんです。

今あなた、「結局ただの女好きじゃん。」と思いましたね?これがゴットマザーの力です。

それに、王都に行きたい理由はちゃんとしたのもあります。

鬼族の国に滞在している間手紙が来たんですよ。

姉から「誕生日を祝うためサプライズで帰ったのに『ネムアちゃんなら旅に出たわよ?』って言われたお姉ちゃんの気持ちを考えなくて良いから王都に来て!!!!」と。あの人シスコンなんですよね。

…そう言えば私の姉妹について話しましたっけ?

私含めて5人いるって話しました?まだ増えそうって話はどうですか?

1人ずつ話しましょうか。

上の姉、20歳、ジルミ。シスコンです。

下の姉、16歳、ティアルーン。シスコンですね。

私、11歳、ネムアム。スシのコーンは別々に食べた方が美味しいと思います。

上の妹、4歳、フィヴィナ。食べ物の好みも知らないですね。

下の妹、0歳、レファゼゼ。姉の手紙で知りました。

私が旅に出てから一人産んでるわけですし、まだまだ増えそうと言いますか、そろそろ他人になりそうと言いますか…。

かなり適当な方ですからねうちの親は。私の知らない姉妹が居ても不思議じゃないのが異世界って怖いですね〜。

そして手紙を送って来たのはジルミお姉ちゃんです。ティアルーンお姉ちゃんも一緒だったみたいですが。

嫌ではないんですが、お姉ちゃんって言うの気持ち悪いんですよね。前世の妹も姉さんって呼んでましたし。呼んで欲しいらしいので呼びますが。

「ネムアちゃん!!お姉ちゃんが迎えに来たよ!!」

ジルミお姉ちゃんです。

私の精神年齢からするとほぼ同い年かちょっと下くらいなんですが、流石に大人ですね。雰囲気と言うか…身体と言うか…。

「ティアちゃんは今日7時まで授業だから…ジルミお姉ちゃんと7時間21分30秒一緒に居られるよ!」

その時計正確ですね。

「お腹空いたでしょ?お姉ちゃんお昼ご飯作っておいたの。向こうの広場で一緒に食べよ!」

美味しそうなサンドイッチですね。いただきます。ぱくっ。わー凄く美味しいです。私の好みドンピシャです。寸分の狂いも無く。

だから学校に行きたくなかったんですよね。

「ネマちゃん…?」

ルルちゃん!

会えて嬉しいんですけど、今はややこしいんです。

「は?」

お姉ちゃん?それはロードレイグ家の印象にですね?

「ルルちゃん…だっけ?知ってるよ?『お友達』よね?今『姉妹』水入らずですっっっっっごく久しぶりの、感動の再会なの。」

「邪魔しないで欲しいな〜?」

お姉ちゃんは変わらないですね〜。

「距離、近くないですか?シスコンですか?気持ち悪いですよ。」

そんなキャラでした?

こっちは変わり過ぎてますね。

「ちょっと優しくされただけで、す〜ぐ仲良くなった気になるの…笑っちゃうわね。だからお友達出来無いのよ。」

「私にはネマちゃんが居ますから。ネマちゃん以外のお友達なんて必要ありません。」

王都って人多いですねぇやっぱり。

直ぐ人だかり出来ましたよ。

「ルルちゃん、あなた魔法使いでしょ?ネムアちゃんは最強の魔法使い【流星】の弟子なんだけど。釣り合わないって。」

「剣士の脳味噌は筋肉で出来てるそうですね。剣を振るより頭突きの方が強いんじゃないです?ああ、でも頭突きは馬鹿になるか。」

観光にでも行きましょうかね。

王都のおすすめスポットは…。

「分かった!じゃあネムアちゃんに決めてもらお?どっちと王都をデートしたいか。結果は分かりきってるけど。」

「良いですよ?私だって結果は分かりきってますから。」

ほうほう、このパン屋さんが人気なんですね…なんと!クロワッサンは数量限定!?早く行かねば…!おっと、クレープ!?勇者様オススメ!?2時まで!?でもパン屋とは真反対です…急げば何とか?どうしましょうか…。

「…え?」

「私が決めるの?」

「「そう!!」」

「…じゃあ、お姉ちゃんはクロワッサンで、ルルちゃんはクレープ。」

「ほら!お姉ちゃんとクロワッサン食べに行きたいって!」

「いや私とクレープですよ!」

「?いや?私はケーキ買うから一緒に行かないよ?」

ケーキって悩ましいですよね…。

テストの答えが全然思いつかないけど選択問題だから取り敢えず埋めたくてどれが正解か悩んでる時を思い出します。大体外すんですよね。

王道一番イチゴショートか、苦味がニクいチョコレートか、はたまたサクサクフルーツタルトか!

チーズケーキも良いですね!

悩ましいですね〜。

「「買って来たよ!!」」

そんなに悩んでましたか。

お二人も帰って来たので決めましょう。ティアお姉ちゃんの分も合わせて四つですか…。四つ…!?

「はい、あ〜ん。ジルミお姉ちゃんのチョコ美味しい?」

美味しいですよ。

…なんか意味深ですね。

「はい!はい!あ〜ん。どうかな?わ…ルルのフルーツタルト。」

美味しいです。

…間接キスとか気にしないタイプですか…ルル?

「ティアお姉ちゃんのチーズケーキも美味しいよ?あ〜ん。」

美味しいですね。

…まだ3時ですけど、授業どうしたんですか?

「良いじゃん。そんなの。妹を愛でる方が大切だよ〜。」

確かに私は良いですけど。

御三方はちゃんと授業受けてるんですか…?

今日だけですよね?

「ジルミお姉ちゃんは受けてないよね?先生やってる方が多いんじゃない?」

学校って冒険者を育てる学校ですよね。

ジルミお姉ちゃんが剣士で、ルルちゃんが魔法使いで、ティアお姉ちゃんは錬金術師でしたか?

「お姉ちゃんはゴールドランクだからね。ティアちゃんはシルバーで…ルルちゃんはもうブロンズなのかな。」

「そうです。ついこの間ブロンズランクに上がれました。」

ちょっと待ってくださいよ。

私まだアイアンランクなんですけど。

王都って物価に1000倍の差があるんですよね?先程ケーキを買う時銀貨を要求されて思い知りましたよ。何でも、王都ではブロンズランク以上の冒険者しか居ないとか。

何ですかブロンズって!

カッパーって言ってくださいよ!ジッパーみたいに!

カッパー!!

「王都はクエストもちゃんと整備されてるし、学校の授業でランクは上げるからね。ネムアちゃんも、ゴールドランクのジルミお姉ちゃんとヤれば直ぐだよ!お姉ちゃんとヤろう!!」

ヤりませんよ!!

お姉ちゃんが言うセリフじゃないですって!言ってますけど!

「ここはブロンズランクで、一番歳も近いわ…ルルとするべきだよ!」

「何言ってんの?本人の成長が大切なんだから、錬金術師でサポートに長けてるティアお姉ちゃんが良いに決まってるよね?」

「だったらティアちゃんもネムアちゃんもお姉ちゃんが愛でてあげる!!さあ!!」

ジルミお姉ちゃんは別の事言ってますよね?

…はぁ…。私の事ですから私一人でのんびり解決する予定だったんですが。

「…4人で行く?」

「4人で!?」

「初めてなのに!?」

「ジルミお姉ちゃんのせいで変な事なったじゃん…。」

ではクエストを受けに行きましょう。

と言いたいところですが、今日は疲れたので明日で良いですか?

「今日はお姉ちゃんたちと一緒に寝ようね!!」

流石ゴールドランク。王都であの大きさの部屋が借りれるんですね…。

ベットは一つでしたが。

「ここはゴールドランクの私が決める!!これだけは譲れない!!」

「その方が安全だからね。私は良いよ。ルルちゃんは?」

「ルルも大丈夫です。」

昨日は何だったんですか…。王都にいる間はクエスト受け続けましょうかね…。

「ふむふむふむ…よし!決めたよ!ドラゴンのタマゴを取って来るクエストに決定!!受注して来るね。」

今更ドラゴンのタマゴくらいで驚きませんよ。

…お婆ちゃんのせいで麻痺してますかね?

「いざとなったらお姉ちゃんが囮になるし、成功すればネムアちゃんのランクアップも出来るよ!お姉ちゃんゴールドランクだから、ちゃんと活躍を評価してランクアップの申請出来るし…ちょっと見間違える事はあるけど、誤差だよ誤差…。」

えー…頼りにしてますね!!

目的はレッドドラゴンのタマゴです。

ティアお姉ちゃん曰く、レッドドラゴンは朝に弱いので、こっちから起こす様なことをしなければ簡単に達成出来るそうです。

朝起きれなくて夜寝れないのは、人類もドラゴンも変わらないと言うことです。

レッドドラゴンはあくまでモンスターですからタマゴを取っても良いのですが、竜族はモンスターでは無いので気を付けましょう。取れるならですが。

私の場合はモンスターのタマゴで限界です。

こんな風に。

「タマゴ取ったよ…!」

ドラゴンが寝ていたので簡単でした。

ですが、ドラゴンの懐から頂戴するのはキモが冷えますね…。二度とやりたくありません。

「ナイス…!流石は私の可愛過ぎる妹…!」

「帰ったらちゅーしてあげるね…!」

…とにかく帰りましょう。

「ここまで来たらもう安心だよ!後は帰るだけ!」

これで私もブロンズランクですね。

中級者と言ったところでしょうか。

「パキッ!」

おや?

おかしいですね。誰かの持ち物が割れてます。こっそりしていたので、そんなに激しく動いてないんですが。

「パキバキッ!」

おやおや?

どうやら私の持ち物の様ですね。

何が割れたんでしょうか…あれ、何も割れて無いですよ?

「バキィッ!!」

私の持ち物は、大きなレッドドラゴンのタマゴを持ち運ぶ為の鞄だけなんですが…割れそうなものは無い筈…。

「キー!!」

「割れた…。」

「割れたって言うか…産まれたって言うか…。」

「お姉ちゃんも初めて見たよ…神秘的だね…。」

「それ…割、産まれたらマズいんじゃ…。」

産まれましたよ!元気な赤ちゃんです!

「と!言うことがありまして…こちらがレッドドラゴンのタマゴ()です!お納め下さい!」

「キー!」

ほらこんなにイキの良いタマゴ()ですよ。良過ぎますねこりゃ。

「タマゴ(だったもの)でしょ!?今!!タマゴのものを!!下さい!!」

「ですよねぇ…。まあ、勿体無いので!どうぞ遠慮せず!後、これカケラです。」

「せめてタマゴ型にくっつけて来い!!何だカケラて!!積極的に要らんわ!!」

「キー…。」

おや、どうしましたかタマゴ()さん。

「…何か、ネムアムさんに懐いてるみたいですよ?」

「え〜?懐かないでくださいよぉ…。絶対ドラゴンに狙われるじゃないですかぁ!」

これがホントのモンスターペアレントってか!?こりゃ参ったな!!

「やっぱり無理か〜…。」

孵化したらそれはもうタマゴじゃ無いですからね。

「ジルミお姉ちゃんどうするの?ネムアちゃんのランクアップはまたやれば良いとして、レッドドラゴンの赤ちゃんなんて育てられる?それに、ネムアちゃんを親だと思ってるみたいだし、暫くは王都に残ってもらうしか…まさか分かっててやったの!?お姉ちゃん!!それはいくら何でもやり過ぎだよ!?」

「それは誤解だよティアちゃん!!お姉ちゃんが妹の困ることする訳無いでしょ?」

その弁明は無理があると思いますが…。だって、昨夜お姉ちゃんの家に泊まった時も…。

回想シーンに入ろうかと思いましたが止めておきましょう。

「取り敢えずお姉ちゃんが引き取るよ。どうしよっか…食べる?」

「まだ赤ちゃんだよ!?」

そう言えば、ドラゴン系の魔物は美味しいと本に書いてありましたね。それも赤子となればレア中のレア!

…焼き加減の話では無いですよ?

でもステーキにするのが良いらしいですねぇ!

「何で二人とも乗り気なの!?小っちゃい子を愛でる気持ちは無いの!?」

「あるけど…お姉ちゃんが愛でるのは妹だから…。」

「大人になったらこっちが食べられる側だし…。」

「妹…ネムアちゃんが食べられる側…食べよっか!」

鬼族の国で醤油貰って来たんですよ。お婆ちゃんの魔法で短期間に作れたんです!和風ソースにしましょう!!

「ちょっと待って!?こんなに可愛い子を食べるんですか!?」

大丈夫です。ちゃんと4人分均等に分けますから。ルルちゃんも食べられますよ?

「食べないよ!?ネマちゃん!?正気に戻って!!」

私は正気ですが。

「食べるのは冗談として。ゴールドランク冒険者の意見だけど、野生に戻すか殺すしか無いよ。それがこの国の法律だからね。今は私が付いてるから良いけど、本来魔物を街に入れるのは禁止されてるの。野生に返しても、戻りたがら無いなら…。」

殺すしか無いと。

隷属の魔法を掛けるのは駄目なんですか?そうでなくとも、隷属契約の魔法とかで奴隷にするとか。

「魔物の奴隷化は禁止されてるから、それは駄目だね…。そもそも、奴隷は犯罪者に対してのみ適応される制度で、それにも厳しい条件があるの。仮に、ティアちゃんがそう言うアイテムを作って勝手に使っていたら処罰される。」

「その時は、私だけじゃなくジルミお姉ちゃんもネムアちゃんも、トーの家族も、みんなきっちり調べられるから、自分一人の責任ともいかないしね。」

なるほど…私たちの家系は調べられるとマズいですもんね…。

だったら、やはり野生に返しましょう。少しでもグズる様なら殺します。

ルルちゃんには悪いですが、好きになった相手が良くなかったと言うことで、嫌いにでもなってもらいましょうか。

「失礼致します。其方の魔物はどの様なモノなのでしょうか。」

「勇者様!?」

この人が勇者様ですか!?

何と言いますか、クールですね。凄いベテラン感が…もっと若いイメージでした…。

いや見た目は若いんですが。オーラが…。

「驚かせてしまいましたね。申し訳ありません。貴女はゴールドランク冒険者【剣士】のジルミ・ロードレイグさんですよね。改めてお伺いしたいのですが、そのレッドドラゴンは如何なされたのでしょうか?場合によっては、処罰を与えなくてはなりません。どうかお答え下さい。」

「かくかくしかじかで…。今から巣に戻そうと…。」

「そうでしたか。でしたら、私に任せては頂けないでしょうか?今の時間はもう、レッドドラゴンの活動時間です。ゴールドランクとは言え、卒業を控えた学生である貴女を危険な場所へ向かわせる訳には行きません。」

「勿論です!勇者様がしてくださるなら、こちらも安心です!」

勇者様はこの国に3人居るプラチナムランクの一人です。レッドドラゴンなど朝飯前なのでしょう。

ただ、ランクアップはまだ先になりそうですね。

お姉ちゃんの家に泊まりたく無いので、クエスト報酬で宿を探そうと思っていたのですが…今夜だけの我慢です。きっと明日は成功する筈です!…トーに居た時を思い出しますね…。

と思いながらお姉ちゃんの家に帰ったんですが…勇者様が訪ねて来ました。

「ネムアムさんのランクアップに関して、私から提案があって参りました。」

ランクアップ出来るんですか?クエスト失敗したのに?

「可能です。アイアンランクとは初心者を意味します。ネムアムさんには旅人として、旅の経験があり、青宝海賊団から逃れた実績と、彼の【流星の魔法使い】の弟子ともなれば、初心者とは言えないでしょう。私とジルミさんの二人で申請すれば、ランクアップをすることが出来ます。」

ありがとうございます…。

それはありがとうですが、何で私に良くしてくれるんです?チトセの弟子だからですか?それとも、やっぱり勇者はお人好しなんですか?

人の家に入って壺を割りまくったり、旅先でお姫様とお楽しみだったり、世界の半分を手に入れる夢を見たりする人とは全然違いますね。まあそう言うところが面白いんですが。

「見返りを求めている訳ではありません。力になりたいと考えての行動です。ただ、ネムアムさんに聞きたい事があるのです。ネムアムさんの職業は【旅人】との事でしたから。」

【旅人】ですけど、見ての通りのガキですよ?何ならチトセの場所を教えましょうか。今ならまだオグル国のアカの里に居る筈です。

「申し訳ありませんが、この事を公にしたくは無いのです。宜しければ、私と貴女の二人だけで話をさせては頂け無いでしょうか。」

「私は良いですよ。」

「くっ、まあ…勇者様は信頼しているので、大丈夫ですよぉ?」

お姉ちゃんも了解してくれました。

それで何です?好きな女(男でも良い)のタイプですか?

「この国は広いですが、海洋国家です。外国へ行くには海を渡らなければなりません。故に、外国からの旅人は滅多に訪れ無いのです。ネムアムさんは各地を旅した【流星の魔法使い】の弟子でありながら、自身もまた【旅人】として外国に滞在した経験がある。」

なんか照れちゃいますね。

何でも聞いてください!聞くだけ!

「これは又と無い好機なのです。私がネムアムさんに聞きたいのは、私の姉に関してです。」

勇者の姉を名乗る方にも、似た顔の方にも会ったことはありませんが…。力になれずすみません。

「いえ、その方法では探す事が出来無いのです。何故なら、」

「何故なら?」

「私の姉は100年前に交通事故で死んでいるからです。」

百…ば、馬車とかですか?

「大型のトラックです。」

トラック!?

「何の話をしてるんですか…?勇者様は100年以上生きているんですか?」

「私は26歳です。ですが、私は一度死に、この世界に転生しました。姉とは、私の前世での姉の事です。」

私と同じ転生者だったんですね…。私は全然弱いですが…。

「私が12歳の時、当時15歳だった姉は、トラックに撥ねられ、命を落としました。トラックと言うのは、大きな乗り物の事です。それから74年、86歳になった私は寿命で死に、神様に呼ばれこの世界へと転生したのです。神様は、先に死んだ父と母も生まれ変わってこの世界で生きていると、仰いました。そして、姉の魂は、探したが見つからなかった。既に転生しているか、消えているかだと。」

「この世界に姉が居るのかは分かりません。居たとしても、既に天寿を全うしているのかも知れません。ですが、私はずっと探しているのです。100年間、一時も忘れた事は有りません。」

「あの…。」

「隠している訳では無いのですが、この事は他言無用でお願い致します。混乱を避ける為なのです。何か思い出したら冒険者ギルドに連絡を下さい。今日は急に申し訳有りません。ランクアップの件ですが、明後日には冒険者ギルドから新しい冒険者カードが送られて来ると思います。では、これにて失礼致します。」

「あぁ…では…。」

私ですね。

敬語ロリだった妹が立派になって嬉しいですよ。自暴自棄にもなっていないみたいですし。

良かったです。ええ。

…。

どうしましょうか。

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