「小説家になろう」の移り変わり
「小説家になろう」というサイトをもう何年も使っている。特にこだわりはないのだが、使いやすいし、色々便利なので使っている。
私の書いたものは「エッセイ」のカテゴリに属する事が多く、「エッセイ」のランキングに入る事もある。それで、ランキングを見る事がある。
ランキングで以前よく見ていた名前が、最近見当たらないという現象がある事に、近頃気づいた。その人のアカウントを調べてみると、もう何ヶ月も投稿していなかったり、他のサイトに移行済みだったりする。
また、私の書いたものに感想をくれていた人も、アカウント名が「退会済み」になっている事も結構多い。
何が言いたいかと言うと、「小説家になろう」というサイトも、人が入れ替わっているという事だ。
私は、申し訳ないが、「なろう小説」というジャンルはそんなに長続きしないだろうと予測している。「小説家になろう」というサイトも永遠ではないだろう。
このエッセイはそんなに言いたい事はないのだが、ただ私は、「ああ、『小説家になろう』のようなサイトでも人は入れ替わっているのだなあ」と思っただけだ。
私自身は投稿の年数だけで言えば「古参」なのかもしれないが、仲間意識もないので、常にぽっと出の新人の気持ちで文章を書いている。それがいいのか悪いのかわからないが。
いつの間にか、人は入れ替わっている。「小説家になろう」のような、なんというか、現代的な、軽いコミュニティにおいても、人は移り変わり、世界の諸行無常は関係しているのだな、と思った。ただ、そう思っただけで、それ以上の感想はない。いつの間にか、色々なものは移り変わり、いつの間にか人は年を取っている。
エッセイランキングで言えば、私とは反対の考えの人も、似たような考えの人も、いつの間にか、その名前がランキングから消えている。そうなると、かつての対立には何の意味があったのか、不思議な気持ちにもなる。
別に平和にやれと言いたいわけでもないし、私のような人間はもっと喧嘩した方がいいんじゃないかと自分では思っている。ただ気づけば色々な事が変化しており、気づくと自分が時間の中でぽつんと取り残されている。
『「小説家になろう」というインターネットサイト』という、いかにも現代的なものにも諸行無常は訪れている。と、そう思った。それが「退会済み」のような無味乾燥な文字で表されている。結局、人間の関わる色々なものはそう大きく変わらないのではないかと、私は思った。