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顛末

マルティータの襲撃から三日が経って、家で静養していたポルタミーナは城に呼ばれ公爵と共に王に謁見していた。

その隣には拘束されたマルティータと侯爵、 第二王子の姿もある。

不思議とあの場にいたダカンチェッラーレの姿はない。


「先日、学園内にてカステル侯爵令嬢がエクリール公爵令嬢並びに我が息子達をスキルで攻撃しようとしたと報告があった。」


「そ、それは…。」


「侯爵、事実では無いと申すか?」


「いえ…事実であると認めます。」


「では、カステル侯爵家は男爵へ降格及び領地の一部没収とする。カステル侯爵令嬢は修道院へ送るところだが、バトルにてフェルメ侯爵家の子息との婚姻の契約がある。子息がフェルメ侯爵家から離縁し平民となっているので、婚姻後共に辺境に送る事とする。」


「そんな……。」


真っ青な顔のカステル親子だったが、王族を傷つけようとしたにしては罰が軽い。ポルタミーナは違和感があったが発言を許されてはいないのでその場で確かめる事は出来なかった。


王との謁見が終わるとポルタミーナのみ別室に呼び出しをされた。

通された部屋には王と第二王子が待ち構えており、ポルタミーナは先程より緊張しながら向き合った。


「この場での礼は不要である。先の件について、カステル令嬢が腕輪の力を用いて襲撃してきた事は口外を禁ずる。

周囲にはフェルメ子息と共闘しバトルフィールドに引っ張り込まれたと話を通す。」


「仰せのままに。」


どうやらマルティータが使用した腕輪の存在は王家にとっては表に出したくないもののようで、釘を刺す為にわざわざ呼び出したようだった。


「そなたが望むなら第二王子との婚約を進めても良いと思っている。」


「陛下、恐れながら私は大勢の前で婚約破棄をされております。殿下に相応しい者ではありません。今回の出来事を内に秘め慎ましく過ごしたい思います。」


「そうか…。ならば王家の静養地の一つを使う許可を出そう。心身共に休めるが良い。」


「御心遣いに感謝致します。」




取り込まれるのを回避したポルタミーナはその後、再び平穏な日々を取り戻したが何故かビアンケットに気に入られ毎日追い回された。

ポルタミーナとしては巻き込まれるのは御免なので必死に巻こうとするが何故か居場所がバレる。


「殿下、私を追い回すのはおやめ下さい。」


「それは出来ない相談だよ。だって君といたら楽しくなりそうじゃないか!」


「……はぁ…。殿下、あの日のバトルの続きを致しましょう。私が勝ったらもう付け回さないでください。」


「良いよ。負けたら婚約してね。」


「はぁ?!」


「さあ、武道館に行こうか!」


ポルタミーナの静かな日常はほど遠い。



FIN





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