皮膚の除菌のし過ぎはかえって危険かもしれない
さて、手洗いは細菌やウイルス、真菌などに対する感染対策として有効なのは間違いないのですが、それもやりすぎはかえってよくないかもしれません。
なぜかといえば皮膚細菌叢も免疫応答に重要な役割を持っているからです。
常在細菌が免疫系や炎症を制御する仕組みについての研究は、腸管のいわゆる腸内細菌について言われてきたわけですが、皮膚にも多様な細菌叢が存在し、皮膚細菌叢が腸内細菌叢と同様に体内の免疫応答作用、具体的にいえばT細胞の成熟に影響を及ぼすのですね。
つまり逆にいえば、皮膚細菌叢が減少しすぎると皮膚の免疫細胞が適切に機能することができなくなるといえるわけです。
何事も過ぎたるは及ばざるがごとしといいますし、除菌のし過ぎはかえって感染しやすくなるかもしれませんよ。(本文内の誤字報告にて失礼します。小説情報のあらすじが「やり酢Gふぃ」となっていますが「やりすぎ」だと思われます)