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時間という名の怪物

作者: 餅角ケイ




 忌々しい過去に苛まれていた先輩は、考えすぎて考えすぎて石になったままついに動かなくなってしまった


 悲観的な未来が怖くて怖くてたまらなかった後輩は、タイムマシンに乗って遠い次元の果てへと散ってしまった


 天井の失われた部室、無愛想な風に撫でられながら石像の隣で遺されたタイムマシンの破片を握りしめ、「今」とはなんとも脆い存在なのだと体感させられた19の夏。

 人工知能が棒読みであげていたお経



 散文を書き連ねているこの瞬間も「今」は音も立てず過去に侵食されていき、未来は段々と現実の色味を帯びて「今」に真正面から襲いかかる


 時間とは正体不明の恐ろしい怪物

 その答えは数世紀後までお預けだろうか


 過去と同化して石になる忍耐も、未来から逃亡する勇気も無い、23世紀の僕

 ーーどうしようもない?

 その主語が誰になるのかは、各人の価値観に委ねられるであろう



 人生は、ただひたすらに「今」を繋ぎ続けた打ち切り必須のコマ撮り動画

 僕は「今」に固執する

 この拍動と共に「今」を遠慮なく躊躇いなく消費し続けていきたい人間なのだ


 だから僕は生きてやる

 僕の未来が全て過去になるまで




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