冒険者、帰る。
アリュール村は騒ぎになっていた。
対女神の神はニホンジンを犠牲にすることでうまくいった。
それなのに、それなのに!
空を割る魔術、地を割く光線。悪夢であった。
かつてニホンジンと冒険者によって蹂躙された信仰が再起すると思った。
「おーいジョーン!おひさ!」
幼女の召喚術師はケロベロスに乗っかっていた。
「お、初々しいね!後輩かな?!」
「違うわ。ソロで活動してたしな。
来てくれてありがとう。」
「感謝するのはいいけどさ、人手が足りないんだよね〜。
ジョンも参加するっしょ?あとそこの後輩達も!」
「え?!僕?!」
「村人逃さないようにしてねー!殺してもおけーよ。帰り道の材料だし。」
「ひょわ!」女騎士でも流石にビビるらしい。
「あの、材料にしなくても・・・。事情を説明しなきゃいけないですし・・・。」半泣きのタロウ
「まーあの魔神材料にすれば帰れる帰れる!事情は頑張って説明してね!後輩くん!」
圧倒的だった。
まさに英雄・英傑と呼ばれるにふさわしいとは言わない。
繰り出される技1つ1つに周辺の影響なんぞ考えていない雑なブッパ勝負である。
というかわざと巻き込んでないこれ?というレベルである。
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辺りは静かに静まり返った。
「いやージョン、無事でよかったよ。」
「悪いなみんな。」
「ジョンがいないと割と礼儀作法系統が死ぬからね、あと交渉とか。」
「そんなわけ無いだろ。めんどくさがらずにやればいい話なんだからさ。」
「収支が死んだぞ!ジョンやったね!」
「やめろ、考えたくない。」
ワイワイのんきに話している。
「えっと・・・。もう大丈夫かな。」
タロウ達一項は村長と村娘だけはなんとか捕縛できた。
それ以外?わからない。何が起きたのか説明がつかないからだ。
蒸発したのではないのだろうか。病める魂も女神パワーニホンジンでなんとかしてほしいものである。
「お、この世界の後輩か?ジョン?」
「勘弁してくださいよリーダー。いちいちやってられっか。」
「あの、ジョンさん。お元気で。俺、油断せずにがんばります。」
「・・・。ああ、今度はお前たちが来るんだな。
おっと、これは報酬だ。」
薄い青白い光を放つ剣。
「銘をスティングスだ。持ち主に危機を教えてくれる魔剣だよ。」
「こんな高価なもの・・・。」
「まあ荷物袋の肥やしよりかはいいだろう?
じゃあな、タロウ。せいぜい追いついて見せろ。」