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冒険者、各語る。

「タロウ、師匠と学校に聞いてもあんたの異世界の話しかでてこなかったんだけど?!」

「ああ、やっぱり。そうなるよねぇ・・・。」

頭を抱えるタロウ。

日本から飛んできた彼にとっては女神の力でどうこうといった話には事欠かなかった。

異世界ブーム恐るべし。まさか実際に異世界側から日本が認識されているとは。

タロウかて何かしらのチートをもっているかと聞かれると純粋に魔術が強い。あと握力。

女神パワー様様である。初陣は砕かれたわけだが。

「ん?でも待てよ?呼びたしたからには何かしらの目的があって俺は来たわけだ。」

「そうでしょうね。女神様だもの。何かしらの理由があるわ。」強火のシスターは置いておく。

タロウは思い出す・・・。記憶の片隅に無理やり追いやった女神の姿を・・・。


「あ、君死んだのねー!

 最近日本側からの信者も多くてさ。異世界転生女神信者ってやつ?

 迷惑しちゃうよねー。

 まあ誰の受け入れ先でもない哀れな魂をさらに過酷な地獄に叩き込むってやつ?

 自分の世界だけで精一杯だよこちとら。まあリサイクル端材として行ってらー。」


「リサイクル端材・・・。」

「タロウ殿?!どうした!!?」

「再利用ってこと?魂を?なんでまた・・・。」

シスターが厳かに手を挙手する。

「発言を許可するわよ。シスター、レーナ。」

「はい。最近グールその他諸々不浄なる魔物が増加していますよね?」

うなずくメンバー。銀級であっても狂信者がいれば怖くない敵だ。

「あれらはなるべく浄化するようには心がけてはいますが、浄化したとしても魂が破損します。」

「え、まじで?!」

「はい、破損した魂を癒やすために祈りが存在します。

 女神に導かれて再び爆誕させるために。」

「まじかー。気にせず爆殺しちゃったよ。」

「私にいたっては銀の燭台でぶん殴ってしまったぞ。」

「アリサさんは騎士ですし、マリスさんは魔法少女として仕事をしたのにつきません。

 でここからなんですが、破損した状態の魂を治すために異世界からの魂を使うとか。」

「で、タロウ他ニホンジンなるものの出番ってわけね。

 存在しているだけで破損した魂を直し回収が捗ると。」

「ですがあの異邦人の冒険者はそもそもニホンジンですらないですし、女神様の信者でもありません。」

んじゃ何のために?である。


「タロウ、あんたの異世界に飛ぶかもしれない魔法は見つけたわ。」

「え、まじで?帰りたいかと言われれば微妙なんだけども。」

せっかくかわいい女の子に囲まれて冒険、異世界しているのだ。

初陣は砕かれたし、ジョンの話は怖すぎて何十にも警戒はしているが。

もうちょい楽しみたい。本音である、思春期だし。

「でもジョンが行きたい世界かと言われれば違うのよ!」

「彼は貿易都市のなんちゃらに行きたいって言っていたし。」

「そもそも強いとは言っても冒険者よ?そこら辺にいくらでも転がっているわ!

 何でわざわざ異邦の冒険者を呼びたしたのか、それに尽きる。」


女神・・・。ではないだろう。だってニホンジンを主に端材に使っている。

召喚魔法?ゲートを作り出す魔法・・・?

「詰まったな。せめて呼び出されたときのことを聞かないと・・・。」とタロウ。

「同じ宿だし、さっさと聞きに行け。なんだかきな臭い。」


こんなときの親父の勘だけはよく当たるのだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

4人で押しかけるのもなかなか嫌がられそうだったのでここはタロウが行くことにした。

「揚げじゃがっぽいものを用意しましたよー!」

秒でドアが開いた。

「芋じゃねーじゃん!」

「芋は芋ですよ。ただ長芋スティックなだけであって。」


取り敢えずタロウ達の推測を聞いてくれた。

長芋スティック分は義理は果たしてくれるようだ。

「・・・。お前らは俺の二つ名を何だと思っている?」

「え?金払いのいいニート、空をかける変態、探査犬(成人男性)。」

「違うわ!誰だ、風評被害だ。器用貧乏のジョンだぜ。」

「はあ、そうですか。」

「それくらいは調査済みだ。残念だがな。」

え?マジ?物理的に歩けないから諦めたのでは?

・・・。そんな顔をしていたらしい。お見通しのようにジョンは続けた。

「呼びだした犯人は事故って俺を呼び出した。おそらく呼ぼうとしていたのは別のものだ。」

「じゃあそいつを締め上げれば・・・!」

「落ち着けって。いいか、異世界から生き物を呼び出すのはめっちゃ大変だ。そこはいいか?

 ニホンジンは女神の楔だから別に呼び出すのは簡単だ。

 この女神の楔を利用して別のとんでもないものを呼び出そうとしたやつがいる。」


ニホンジンは魂の浄化・回収する人形の装置。それ相応の力を持って来る。

だが初めて来たニホンジンなんていいカモだ。それこそ慌てて回収する冒険者が派遣されるほどに。

タロウは運がいい方だった。他の異世界転生モノを読んで予習してきたし。


「ニホンジンを材料に・・・。」

「そういうこった。将来の英雄。で俺が降り立った村のアリュール村あるだろう?

 あそこはそういった村だった。」

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