嶺(レイ)
『だからホラっ。ちゃんと前出て自己紹介っっ!もぅ…笑』
恥ずかしそうに私の前に出てきた彼女は俯きながら、ようやく聞き取れる程の声で自己紹介をしてくれた。
『すぎやま…れいです。初めまして。』
「初めまして♪頑張ってくれてありがとね。」
つい幼い子を褒めるような口調になってしまった。
『頑張ったね。レイ。あ、因みにレイはこれでも1個下だかんね♪笑』
「えぇ?!?!そうなのっ?!?!ほぇ〜…」
まじか…レイちゃんには悪いけど、絶対そんな風に見えない…
小柄で華奢な身体だし、胸も…
そんな私の視線に気づいたのか、レイちゃんは"ハッ"と胸元を見下ろした後、ふくれっ面になってしまった。
…が、その姿も可愛らしくて稚華さんと目を合わせて笑ってしまった。
そんな私たちにつられてレイちゃんもくすりと微笑した。
「笑顔、可愛いね♪そんなに可愛い顔なのに、笑わないのはもったないよ♪」
なんて私が変なことを言ったものだから、レイちゃんは顔を真っ赤にして俯いてしまった。
私は何でこんなにも素直に話すことができるのか不思議だった。
普段から人付き合いが苦手だった私は、特に子供や年下の扱いが苦手だったのだ。
ちょっとだけ私に似ているから…なのかな。
「そういえば!!なんか私に会わせたい人が居るとか言ってなかった??」
すると稚華さんは目をまん丸くして、急に笑い出した。
『あははは!!ごめんごめん!会わせたかったのは"レイ"だよぅ♪私の妹っ。ねっ♪可愛い可愛い妹ちゃん♪』
それを聞いたレイちゃんは、ムスっと不機嫌な顔に変化して、そっと握り拳を作ると、すぅーっと息を吐き、その拳を稚華さんの脇腹へと投げ込んだ。
『ぐぁぁぁぁぁ!!!痛ぁっっ…ばかぁ!なにすんのよ!!』
『バカにすんなっ!!』
怒る理由は分からないが、その光景を見ていて"姉妹っていいなぁ…"と思ったのであった。




