表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本日は性転ナリ。  作者: 如月アル
96/225

上を向いて

自分の気持ちに整理がつかずモヤモヤがどんどん大きくなっていく。


するとおでこの上に冷たいものがポツリと落ちて来た。


冷たっ!!



頭上を見上げると、外壁に滴る雨水の雫が輝いていた。そのさらに上空には、昼間の豪雨など想像もつかないほどに透き通った藍色のキャンパスが広がっていた。


雨上がりのアスファルトの匂いが春の生温い風に乗って運ばれてくる。


いい匂い…


そして立ちすくむ私を、眩いほどに輝く月の光が包んでいる。


"上を向いて歩きなさい"なんとなくそんな風に言われている気がした。


そうだ。夜空はいつも見上げる度に教えてくれたんだっけ。

私はこの宇宙で限りなくゼロに近い存在なんだって。

その私が悩む事はもっともっと小さくて、そんな事に囚われて生きる時間は勿体ないんだ。

小さな小さな存在の私が出来ること。

それは、せめてこの世界に生きている限り、ちょっとでも"幸せだ!生きていて楽しい!"…そう思う事なんだって。


私が泣いても笑っても死んでもどうなっても、この宇宙では"何の関係もない当たり前"のこと。


そんな世間からするとどうでもいいようなコトなのに

自分で悲しんだり不幸に思ったりしなきゃいけないなんて…なんか損した気分になる。だから私は前だけ向いて歩きたいって思うんだ。


…なんて他の人からすると"ポジティブな馬鹿"って思われちゃうのかな。笑


それでもいいんだ。


だって…今の事だって、彩ちゃんとの間に"壁"ができてしまったわけじゃない。


だから、自分の気持ちがハッキリするまで待っててね…彩ちゃん。


なんだか急に元気が戻って、"いつもの私"になれていた。いつのまにかモヤモヤが小さくなっていて、鼻歌交じりに帰路についた。



自分でも単純だなぁと呆れる事がよくある。


まぁそれでもいっか♪私はそれで幸せだから。


今日は晩御飯なににしよっかなぁ♪









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓"本日は性転ナリ"最新話毎日更新中!!↓ https://www.alphapolis.co.jp/novel/77353022/499155980 ↑お気に入り登録・コメントお待ちしております↑
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ