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本日は性転ナリ。  作者: 如月アル
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リンク

突然、麗美さんの友達の1人が言った。


『あれ?衣瑠ちゃんだっけ?どっかで会ったことあったかな??』


私も会った瞬間、似たような感覚があったが、ただのデジャヴとして受け流していた。


互いにデジャヴ…なんてなかなかないよね。

じゃぁ本当にどっかで会ったことあるのかな?


まぁそうだとしても私が"衣瑠"になってそんな時間も経ってはいないし、ショッピングセンターとかですれ違った程度だろうな。


そこに麗美さんが思い出したように手のひらをポンと叩いて言った。


『そっかそっかぁ♪会ってると思うよたぶん!ってか一緒に遊んでた気がするぅー!!』


「えぇ?!どゆこと??」


"今の私"を知る訳がない。

きっとなにかの勘違いだろう、と思った私の考えを覆し思いもよらない答えが返ってきた。


『だってチカちゃんも同じ頃に"聖英病院"に入院してたんだもん。』


…聖英病院。


それは私の父さんが務めていた病院…

そしてまさに私が"現在進行形"で通っている病院だ。


そういえば、麗美さんの"注射痕"や"発言"についてもまだ謎が残っていた。


彼女との接点も気になるけど、今こそ事の核心を突くチャンスかもしれない。


「聖英病院に?私もあの頃の記憶はハッキリしてなくて…ごめんね。ところで麗美さんってなんで入院してたの??」


この返答次第では麗美さんは私の正体に気づいているということになる…まぁ、誤魔化せられなければなのだが。

しかし…"あの時"の麗美さんの言動にはわざとらしさがあった気がする。あくまで"気がする"だけなんだけど。


『私ー?盲腸だよ♪ちょー痛くってホントあれは忘れられないよ!!あん時はねぇ…』


やっぱりだ。そんな素直に答えてくれる訳ないか。


これならどうだっ!!


「あれぇ??麗美さん腕のコレどうしたの??大丈夫〜??」


その瞬間、麗美さんが急に真面目な顔になった。


『これ…?ふふ…聞きたい?』


すると麗美さんの友達が小声ながら強く言う。


『麗美っ!!ゼッタイ言っちゃダメ!』


『いいのよ…バレたらしょうがないわ。これはクスリの注射痕よ。』


頭の中で"何か"が勢いよく繋がる音がした。


リンク…そう、全てがリンクした。


そしてそれと同時に固く閉ざされた扉が"ギィィィー"っと音を立てて開いていく…


やっぱりだ…麗美さんも私と同じ病気…

私だけじゃなかったんだ!!






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