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本日は性転ナリ。  作者: 如月アル
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オヒサ

『おーいっ♪莉結ちーん♪衣瑠ちゃーん♪こっちこっちぃー♪』


この声は…


聞き覚えのある"元気の塊"のような声の方向に顔を向ける。


あー、やっぱり…笑


麗美さんと、その愉快な仲間たちであった。


花見客の中でも一際目立つそのグループは、大量のお菓子をシートの中心に広げ、周囲の反応を他所に異常に盛り上がっていた。


『はやくぅーっ♪おーいっ♪』


周囲の視線が私たちに向けられる。


ちょっ…恥ずかしいなぁ!他の3人は誰だろう。見たことないな。


正直、莉結と2人きりでのんびりとお花見をしたかったのだが、見つかってしまってはしょうがない。

私たちが行くまで大声で呼ばれ続けてしまう事を考えたら今すぐに麗美さんの元へ行くのが最良の選択だ。



足の踏み場が無いほどに敷き詰められたシートの合間をなんとか歩いて移動する。


その間、酔っ払いに何度も声を掛けられたが、愛想笑いで何とかごまかしていく。


女って本当に面倒なんだな…男なら声かけられる事なんて絶対ないのに。



普通なら10秒ほどで歩ける距離を2分ほどもかかってようやく麗美さん達の元へたどり着いた。


なんかそれだけでどっと疲れが…これだから人混みは苦手なんだよね。


『おひさぁー♪なぁーにやってんのぉ??今日は莉結ちんとでぇーと?』


どんな時でもブレないキャラだ。


「まぁ…そんなとこかな…はは…」


『え?!別にそんなんじゃ…お花見だよお花見っ!!っと、それより初めましてっ♪麗美ちゃんの友達??見た事ないけどどこの学校の子??私は麗美ちゃんと同じ高校の莉結って言います♪それでこの子も同じ高校の衣瑠って言って…』

あぁ、莉結のコミュ能力の高さには本当に尊敬するよ…


私は知らない子がいるだけですっごい緊張しちゃうのに。


まるで人見知りの子供と母親みたいじゃんっ!笑


頼りになりますよ本当に…

それと同時に私頼りないなぁー…


こういう時は女で良かったのかなと思ってしまう。


世間に作り上げられた"男だったら普通は…"っていうのに囚われなくて済むからねっ。


まぁ当然"女だったら普通は…"ってのも存在する訳だけど。








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