8.行ってきます。
カーテンから朝陽が差し込む。
今日から"衣瑠"としての学校生活が始まる。
はっきり言って不安しかない。
横に目をやる。
当然のように爆睡する莉結の姿がある。
緊張してるのは俺だけか…(´-ω-`)笑
…にしても、何回見ても鏡に映る"この女"には慣れないな…
さて…
「おいっ!莉結ー!!莉結ちゃーん!!制服の着方教えてくださいなぁー♪」
『ん…あ…?
えっ?!?!あ!ビックリしたぁー!どこの美少女かと思ったよ…おはよう♪』
あの…めっちゃ胸元緩いんですけど…
なのに…ドキッとしない…なんとも思わない…
以前の俺なら一日中ドキドキしてしまっただろう。笑
これも病気の進行のせいだろうか…
『どこ見てんのよぉー?笑』
「いや…あの…胸元緩いなぁって。…色っぽかったぞ。」
『え?!そんなストレートに言わなくても…』
意外な反応だなぁ。
莉結が照れる事もあるんだな。
ん…なんだろうこの感覚。
それより…
「支度終わったら制服の着方教えてよ?」
『え?!知らないの?そこからなんだ…当たり前な事だと思ってたよぉ!!』
「まぁ何となくは分かるけど…どうやって着てくのかとか、スカートの前後とかよくわかんないんだよねぇ…笑」
『私はその"よくわかんない"所がわかんないサ。ほれっ、貸してみんしゃい♪』
え?あ…うん…。
手際よく俺は服を脱がされていく。
めちゃくちゃ恥ずかしい。
あっという間に下着姿になってしまった…
寒っっ…
『はいっ、まずはこっちから…こーやって…』
「さすが女子だなぁ!ベテランは手際がいいねぇ!!」
『毎日やってますからぁっ♪ふふっ♪』
『ほらっ、次は髪の毛っ!ドライヤー出して!ブラシは?』
「いいよ適当で。俺セットなんてした事ないし、別にほかの奴の目なんて気にしな…
『バカゆうたらあかんよぉ!!!こんなに…こんなに可愛い子をそのまんまにしておくなんて犯罪だわさっ!!
ほらっ!貸して!』
は?はぁー??
『出来たぁー♪か…可愛いぃー♪制服姿…写真….撮っていい??』
「はぁ?別に構わないけど….」
パシャ!
パシャ!
パシャパシャ!
パシャ!
ピロン!
「ってお前ドサクサに紛れてムービー撮ってんじゃねーよ!!!」
『だってぇー…』
『あ….今日の占い…』
「見んくていいわっ!!」
そろそろ出る時間だな。
「莉結。よろしくお願いします。」
『頑張ろうね♪』
『ちょっと靴履くときはパンツ見えないように…』
「えーっ?!気にしてたのにー!!てかもうちょっとスカート長くていいんじゃねぇの?」
『この方が可愛いのっ!』
よし…
「いってきます!!!」