表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本日は性転ナリ。  作者: 如月アル
74/225

横顔

本屋を出ると同時に勢いあまって通行人に肩をぶつけてしまった。


咄嗟に謝り顔を上げると、そこには見慣れた顔があった。


「莉結….こんなとこでなにしてんの??ほのかさんは??」


『えっと…もう解散して、ひとりで本見に来たんだけど…衣瑠こそ彩ちゃんは??何でそんな急いでるの?トイレ?』


何故そうなるんだ…私が焦る理由としてトイレが1番あり得るということなのだろうか…


「違うよ…ったくぅ、なんでそうなるかなぁー。んまぁいいやっ。彩ちゃんとこ行かなきゃだからっ!またねっ!」


そういって走り出した時何かに服がひっかかった。


振り返るとそれは、"引っかかった"のではなく、莉結の手に服が握られていたのだった。


『あっ…えと、私も一緒に行こうかなっ!?ま、まぁ彩ちゃんと衣瑠が良ければだけど…』


へぇ…なんか、めずらしいなぁ。莉結が一緒に遊びたいだなんて…


「別に私は良いけど…というか私も約束してるわけじゃないし。笑」


そんなこんなで莉結とバスに乗り込んだ。


いつぶりだろうか…

莉結とバスに乗るなんて。

最後に乗った時の記憶は曖昧だが、はっきりと覚えているのはこの空気と、この匂い。

すっかり春色に染まっている街の風景。


ただ違うのは、すっかり大人になった莉結の横顔くらいかな。


移りゆく街の景色のように人もまた月日と共に変わっていく…


突然、哀愁に包まれる事がある。


それは季節の変わり目に多い気がする。


それはきっと、懐かしい季節がやって来た嬉しさを感じたと同時に、今まで気づかなかった"変わってしまった何か"に気付いてしまうからだと思う。


そう、今の私みたいに。


そんな事思うのは私だけかもしれないけど。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓"本日は性転ナリ"最新話毎日更新中!!↓ https://www.alphapolis.co.jp/novel/77353022/499155980 ↑お気に入り登録・コメントお待ちしております↑
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ