アヤちゃん
『衣瑠ちゃん!…アノ…動物園の動物ってなんで行ったり来たりしてるか知ってる?』
?
いきなり何言い出すんだ?笑
「えー?わかんないけ…『自分を落ち着かせようとしてるんだって!!やっぱストレスなんだね!!ははは♪』
最後まで聞けぇっ!!笑
『私も行ったり来たりしてみよーかなぁー!!なんて♪ははは!』
あ、うん。
『あー…やっぱごめん!!ちょっと待ってて!!』
いきなりそう言うと彩ちゃんは何処かへ走って行ってしまった…
様子がおかしい。
やっぱ嫌だったのかな…
私もあんなこと…おかしいよね…ははは…
嗚呼…なんでゾウはあんなに乾燥肌なのにひび割れして痛くないんだろう。
チンパンジーのお尻のイボは何なのだろうか…
そんなどうでもいい事が頭の中を回り出した。
私は何を考えているんだ。
目の前ではゾウが右へ左へ行ったり来たり…
耳をパタパタさせている。
それにしても莉結と会ったのは気まずかったな…
別に嘘ついたりしたわけじゃないし、先に連絡くれたのは彩ちゃんだしね。
ま、いっか♪
その時後ろから声がした。
『待たせました。』
「彩ちゃんおかえ…り?!」
そこに立つ彩ちゃんは先程と打って変わって冷静かつ無表情であった。
『さ、帰りましょう。』
「あの…何かあった??」
『別に何も。』
バスを待っている間も、バスターミナルまでの道中も…
会話は無かった。
『それじゃぁ…。』
素っ気ないまま帰ろうとする彩ちゃん…
理由も分からないままそんな態度でさよならなんて
スッキリしないじゃん!!
「待って!その…アレはごめんね!!彩ちゃんの気持ち考えられずに…」
『彩は喜んでたわ。だけど私は許せない。アンタが居なければ彩は私のモノなの。また私に殺されたくなければ2度と彩に近づかないコト。ふふ♪バイバイ♪』
この子は誰…?
それは私の知る"彩ちゃん"ではなかった。