表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本日は性転ナリ。  作者: 如月アル
61/225

ふたりの体温計

『やっと本当の2人きりになれたね♪』


「え…あ、まぁ。ははは♪」


うぁ…気まずいどころの騒ぎじゃないよ。

なんでこんな事になったんだろぉ…泣


てか本当に私生きて帰れるよね?

大丈夫!みんな私がここにいる事は知ってるし、

私が帰らなかったら莉結がすぐに警察に電話してくれる!ハズ!

私がこの部屋に居た証拠もあるし。

あ!今のうちに髪の毛たくさん落としとけば、もし証拠隠滅しても1本くらいは…


っっってぃ!!


何考えてんの私は!!


大丈夫。きっと!!


『どうしたの?』


「別に…なんでもないけど…近くない?」


『いいでしょー??付き合ってるんだから♪』


「別に私は付き合って……」ハッ!「なんでもない!!」


「というか熱は大丈夫なの?」


『え?あぁ…ありがとう♪もう大丈夫っ♪』


「いやっ、だけどさぁ、39.5℃って危なくない?!ほらっもっかい測って。」


『んー…それじゃぁ衣瑠ちゃんが測ってよ?』


「え?私が?多分平熱だろうけど…」


『そうじゃなくて私を…ね?』


え?!な…なにを急に言い出すかと思えば…


そんな事できる訳…


『はいっ…』




天堂さんはシャツの襟元を脇まで下げ、恥じらった様子で体温計を待っていた…


やるしか…ないの?!(ゴクッ…)


猛烈に顔が熱くなるのを感じながら体温計を手に取る。


ボタンを押して荒くなる呼吸を整えつつゆっくりと近づいていく。



"ピピピッ"


え?


まだ挟んでもないのに…


試しにもう1度ボタンを押す。


1…2…3…


"ピピピッ"


液晶には"39.5°c"の文字…


「天堂…さん?これは?」


『あれぇ?壊れちゃったのかなぁ??あはは♪』


"あはは"じゃないよぉ…


全部芝居だったの…?!

いや…だけどこれだけで疑うのはな…

けど天堂さんは大丈夫って言ってたし、私がここにいるは理由もない訳だ。



私はそそくさと帰りの身支度を整えた。


「天堂さん大丈夫そうなら私帰るね!」


『え…うん。』


その言葉に、どこか懐かしい寂しさを感じた。


後ろ髪を引かれる思いに駆られつつもドアを開ける。


部屋を出てドアが閉まる瞬間。


部屋の中の天堂さんと目が合った…



"あ…わたしだ"


そこには"昔の私"がいた


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓"本日は性転ナリ"最新話毎日更新中!!↓ https://www.alphapolis.co.jp/novel/77353022/499155980 ↑お気に入り登録・コメントお待ちしております↑
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ