お疲れ
ふと気がつくと"50m先わかな野外活動センター"の看板が目に入る。
寝ちゃってたのか…
横を見ると莉結が窓の外を眺めていた。
気のせいか頬が火照って見える。
あっ!!
手…繋いだまんまだった…
けど莉結も"女の子ではフツー"って言ってたもんな!
2人の手を隠すブランケットが、秘密を隠すスクリーンのように思えて恥ずかしさが増す。
『よしっ、着いたぞー。お疲れ様だな。ほんとに大丈夫かっ?』
山田先生の声で"別の何処か"から無理矢理、現実へと戻される感覚に包まれる。
ブランケットに隠れて、2人の手がそっと名残惜しそうに離れた。
「だっ、大丈夫です!」『はっ、はい!平気です。』
『2人とも昼メシ食いそびれちゃったろ?食堂で2人の分用意してあるからそれ食べてゆっくりしてから皆んなに合流しようなっ。』
確かに…気づけば昼はとっくに過ぎている。
"昼ごはんを食べていない"という事実を知った途端、急にお腹が空いてしまった。
ゆっくりご飯食べよっか。
食堂へ入ると味噌汁と香ばしいチキンのような香りが漂っていた。
奥のテーブルに2人分にしては、たいそうな量の食器が並んでいる。
よく見るとバイキング形式のようで、とても2人では食べきれない量のおかずが
1m程の円卓の上に所狭しと並べられていた。
…
「ごっちそうさまぁー…いやぁー食べ過ぎちゃったかなぁー?」
『こっちは死にかけてんのよ?死んだつもりで食べなくてどうすんのよ!笑』
確かに…さっき私達クラスメイトに殺されかけたんだっけ…笑
よくこんな普通に食事楽しんでるよなぁー。
頭おかしいのかな?笑
まいっか♪気にしない気にしない♪
このままあの芝生の上で横になって寝たら気持ちいいだろうなぁー…
そんなことを考えてたら急に睡魔が…
「やばっ…なんか超眠たくなってきちゃったよぉ…」
って莉結寝てるしッ!!!!!!!!!!
ちょっとだけ…
うん。ほんの一瞬だけ寝ちゃお…