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本日は性転ナリ。  作者: 如月アル
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絵心

机に貼り付けられているメモに目を通す。


[チェックポイント1:夫婦岩のスケッチをしましょう。紙と鉛筆は引き出しに入っています。提出するので各自持ち帰る事。]



なんだこれ?


岩をスケッチ?


何故…岩…?


こんなに綺麗な景色が広がってるのに。


何故だ…



というか普通こういうとこは先生が待機してないの…?

うちの教師は楽するなぁ…


そんなことはさておき莉結は嬉しそうに紙と鉛筆を取り出している。

『わぁー楽しそー♪はいっ衣瑠♪一緒にお絵描きしようね♪』


「あ、ありがと。」


各自、描きたい角度で見える位置にスタンバイする。


よし!描くぞっ!



10分くらい経ったかな?


これで完成だね♪



『よーし♪みんなで見せ合おうよ!!』


「『せーのっ♪』」


…え?これなに?



「え?岩だよね?」


『そうだけど…?え?何に見えるの?』


「しわくちゃおっぱい…?」



しばしの沈黙が続く。


『行きましょう。』


あ、まずかったか…


けどアレは間違いなく70歳代のモノだ。


ちゃんと頂点には突起物もあったし。



「あ、あの…ごめんね?悪気があった訳じゃなくて…」


『いいわよ…私昔から絵は苦手なの。自覚してるもん!!』

ほのかさん…


『そうだよ♪夫婦岩なんて見た目しわくちゃおっぱいだってー!(ンブッ!!クックックッ…)』


莉結…お前のスケッチにもしわくちゃおっぱいは居たんだぞ…

いま、吹き出して笑うくらいなら何も言わなかった方が良かったよ…



それからの道のり、山肌から盛り上がる岩を見るたびに吹き出しそうになる莉結を見て釣られて吹きそうになった。


お陰で顔の筋肉が攣りそうだ…



『第2チェックポイントはけーんっ♪』


「絹糸の滝かぁ。あんな高さから…凄いねぇ…」


『落差50mだってさ!!凄くない?!』


それって凄いのか?

きっと凄いんだろう。きっと。


そこにも机がありメモがある。


仕事しろよ先生…



[チェックポイント2:記念写真を撮りましょう。]


…記念写真?


カメラを探すもどこにも見当たらない。


まさか…携帯持ち込み禁止って言ってる癖に

持ってきてる前提?!


まじか!!


この学校大丈夫だろうか…



『記念写真だってぇ♪みんな並ぼーっ♪』


『時間が押してるわね…早めに済ましてそこからは走りま…「走らないよっ!!もうー…1番は無理だってぇ。誰ともあってないし、みんな先行っちゃってるよぉ…」


『だから走…「らない!!景色楽しもうよせっかくだし!!」


本当にほのかさんは何を目指してるんだよぉ…


『終わったぁー?写真撮るよぉー♪ほらもっとくっつかないと入んない。』


いやっ…こんなくっついて…恥ずかしいって!!


(パシャ!)



『よし!走りま…「ほのかさん!!」


『だってぇー…』


「だってじゃないよー。みんなで楽しい思い出作りたいじゃん?走ったら勿体ないって。」


『ほのかさんの気持ちも分かるけど、衣瑠の意見に賛成かな。』


『私も…もう少しゆっくりがいいです。』


『わかったわよぉ。頑張って近道探しましょ。』


うん!わかってないね!!



この時写真に写りこむ滝の上からの視線に誰も気づいてはいない…


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