林間学校〜2日目〜
…あぁ…なんかいつもより清々しいなぁ…
あれ?ここは…
わっ!!そうかぁ…林間学校…
頭がぼーっとする…
そういえば昨日ほのかさんと遅くまで喋ってたんだっけ…
ふぁーぁ…眠っ。
まだ半分しか稼働していない頭で隣を見ると綺麗に畳まれた布団がいくつも重ねられている。
左に目をやると……プッ!
なに寝ながらニヤニヤしてんだ…
莉結がいた。
いつ出したのか…というかどうやって持って来たのか…
猫のぬいぐるみを抱いてニヤニヤと不敵な笑みを浮かべながら寝ている。
さぁ…また1日が始まった。
はぁ〜ぁ…また今日も女かぁ…
てかこれからもずっとか…
段々と目が覚めてゆき、頭が正常化してきた。
…あれっ?
てゆうかみんなは?!?!
これは…新手のイジメっ?!
なぜ私たちだけ残してみんな居ないわけ?!
そうだ!今の時間は!?
…ヤバい!
非常にマズイぞぉー…
「莉結っ!!起きて!!みんなもう居ないよ!!」
『ん…衣瑠?おはよ…なんか今日は眠いの。』
昨日は俺に色々つき合わせちゃったからな…
ゆっくりおやすみ…
「っなんて場合じゃねーよっ!!!遅刻!遅刻!!!」
『ん…チコク?………えっ!?!?!今何時?!』
ようやく夢の世界から戻ったらしい。
おかえりなさい"現実"へ…笑
時刻は7時を回ったところだ。
携帯の待受画面の時刻を莉結へ見せる。
『えぇ?!もうすぐ朝食の時間終わっちゃうじゃん!!』
たしか"林間学校のしおり"には"7:30迄に各自朝食を終えること"って!
「ほんとだ!!急がなきゃ!!」
急いで顔を洗い、歯磨きをしてジャージに着替える。
髪がボサボサ…
っもういい!!後回しだっ!!
………
なんとか食堂に着くと殆どの生徒は次の集合場所である"芝生広場"へ移動していた。
『うぅ…ゆっくりご飯食べたかったぁー…』
半泣きの莉結を横目に、学校の行事としては珍しい…
いや、たぶんこの学校くらいじゃないか…って感じの
バイキング形式の朝食をプレートに乗せていく。
「早く食べないと間に合わないよ!!」
『わかってるけどぉ〜…うぅ…楽しみにしてたのにぃ…』
そんな姿を見てると少し可哀想にもなるが…
今はこの短時間でどれだけ胃袋に詰め込めるかが勝負だ!!
……
(カンカンカーンッ!!試合終〜了〜っ!!)
あーもうダメ…お腹が…
よく頑張ったよ…もう思い残すことはない。
以前の"瑠衣"の感覚で沢山よそっちゃったけど…
ぜーんぜんっ食べれないってゆう!!
悲しい事に胃袋まで女の子サイズなんだよねぇ…
それにしても…
莉結はどんだけ食ったんだよ!!
あの短時間に何往復してたんだ一体…
恐るべし食への執着…!!
っっなんて思ってる暇なし!!早く移動しなきゃ!!
「ご馳走さまでしたっ!」
『えっ?!衣瑠デザートは?!』
「バカっ!!時間時間っ!!」
『えっ…せめてこの…』
「もう!移動しながら食べて!!」
………
はぁ…はぁ…はぁ…
間に合ったぁー…
うげ…胃の中がマッ◯フルーリー…
あぁ…動けない…
そして今から"ウォークラリー"…
地獄だ…
せめて休憩を…
『はいっ、じゃぁ全員揃ったみたいだし説明するぞー!!時間限られてるから説明したらすぐ出発するからなぁー!!』
先生の言葉が "キサマなどフルーリーサーバーになってしまえ" と言っている風にしか聞こえない…
朝食直後にウォークラリーなんて絶対段取りミスだ…
"地獄のウォークラリー"始動!!
はぁ〜…




