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本日は性転ナリ。  作者: 如月アル
33/225

湯加減はいかが?

なに?!そんな目をまん丸にしてっ…


って!あぁぁぁ!!


タオルぅっ!!


慌てて前面を隠した。


うわぁぁぁ!見られたぁ!!


莉結はアワアワと目をまん丸くして言った。


『な…無いっ…』



「え?!しょうがないってか当たり前だろ女なんだから!!」


『じゃなくて…あ、な…なんでもない!!』


あぁ恥ずかしっ!!

恥ずかしがる事でもないのかもしれないけど…

やっぱり恥ずかしい!


とりあえずこの場の雰囲気を変えなきゃ!


「…お風呂行こお風呂!!」



…何故か気まずい雰囲気になりつつ入浴。


そしてこれまた何故かすぐ隣に莉結がいる。


『気持ちいね!』

「う、うん!」


『貸切だね!!』

「だ、だね!!」


なんだよこの会話…


暫く沈黙が続き、そっと莉結が口を開いた。


『衣瑠はこのまま女の子でいる気はないの?』

どこか寂しげに聞こえた。


「…そうだなぁ…もし男に戻る方法があったとしても、それは本当の自分じゃないから…今はこの身体が本当の自分だって思うようにしてるよ?」


だけど実際"瑠衣に戻れる"となったらどう決断するかなんて分からない。


『そっか♪私はそれでいいと思うよ♪』


子供のような笑顔で笑うと同時に

濡れた髪が莉結を"大人の女性"に魅せていた。



それにしてもこのお湯熱すぎないかな…


いつもは風呂なんて"烏の行水"程度だから

この温度でこんなに長く入ることはない。



『山田先生もいいトコあるよねぇ♪私達だけ特別だよ?』


ニコニコしながら話す莉結はやはり子供のようで…莉結…





あれ…


暗い…


重たい瞼を持ち上げるとそこには


莉結…


莉結の顔が数センチの所に迫っていた。


「あっ!ごめん!私、あれ?」


『あ!起きたっ?!あのっ…本当に勘弁してよね!!いきなり意識なくすんだから!!のぼせたんだよきっと。』


あぁ、私のぼせちゃったんだ。


莉結も顔赤いけど大丈夫かな。


『もう出よっか♪』


「そうだね…」


またお互い見ないように着替えを済ますと、長い髪を風圧の弱いドライヤーで延々と乾かし…

化粧水やら乳液やら…今まで

関係なかったものを時間をかけて塗り込み…

やっとの事でロビーへ戻った。


山田先生は相変わらずソファーに座っていたが、林間学校の資料だろうか、何やら作業に勤しんでいる。


『先生ありがとうございました!!』


『おうっ!』

一言そういうと再び作業へ取り掛かる。


『そろそろみんな戻ってくるから、そしたら荷物持って部屋に行ってね。』

保健の先生も仕事中かな?

資料をまとめながらそう言った。


間も無く外からワイワイとはしゃいだ声が近づいてきた。


『衣瑠ちゃんに莉結ちゃーん!大丈夫??キャンプファイヤーの時居なかったよね??』


ほのかさんだ。


『ちょっと衣瑠とトイレ行ったら転んじゃって♪先にお風呂入っちゃった♪』



『えぇ?!いいなぁ!!私も早くお風呂入りたいわぁー。』


『気持ちよかったよぉー♪なんかごめんねっ!!あ、荷物持って部屋行くんだよね?』


『そんな事気にしないって♪…んで荷物持って部屋だよっ!今日は疲れたからお風呂入ったらすぐ寝ちゃうなぁー♪』


「ほんと今日はご迷惑おかけしましたっ…」


『いやぁ…私が気を使えなかったせいで…私の方こそごめんなさい。また夜ゆっくり話そ♪』


「うん♪そうだね♪」


生徒たちが荷物を持って移動を始めている。


私たちも荷物をもって部屋に向かった。


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