表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本日は性転ナリ。  作者: 如月アル
24/225

がーるずとーく?

『じゃぁ、莉結ちゃんは好きな人とかいるの?やっぱり瑠衣くん??というかもう付き合ってたりするの??』


急に莉結の顔が赤くなる。

怒ったのか?!


『そ、そんなんじゃないよ!瑠衣は確かに美形で、カッコよかったし性格もまぁまぁ悪くないケド…私は男の人苦手だからさっ…』


『いやぁー♪男子にモテモテのクセに素晴らしいねっ♪私と気が合いそうだ!(笑)』


『そーゆー委員長は?』


『わ、私は別にいいじゃない!好きな人なんていないわっ!!…ウソ!いるけど言えないわ!!』


どんだけ正直なんだこの人は。


『ちなみに衣瑠ちゃんは??転校してきたばっかだしいないか?ロクな男子いないしね!』

男子かわいそうだな…


「私は…」

莉結に目をやる。

まだ赤さがひかない顔の潤んだ瞳と目が合う。


「転校してきたばっかだし、男の人はまっっったく興味ありません!」


『えぇ?!そうなの?もしかして…』


言いたいことは分かる。

まぁ俺たちの受け答え聞くとそうなるか。


「別にそんなんじゃないよ。悪いこととも思わないけど。」


ほのかさんと千優さんがドキッとした表情で固まった。


『衣瑠!!なんか勘違いしてるよ!!』

莉結が慌てて言った。


「そう思われてた方が逆にめんどくさくないかもな。」


そう。男子に異性として見られるのはちょっとな…



気まずくなったのか、ほのかさんは

急に"パチン"と手を鳴らし話題を変えてきた。


『そ、そう言えばさっ、衣瑠ちゃん!!瑠衣くんっていつ頃退院できそうなのっ??』


瑠衣?


「え?!あ、あぁ。瑠衣…か。」


ふと気付かされた"現実"が重くのしかかる。


そういえば"瑠衣"はもう戻ってこないんだ…


俺は…"私"は衣瑠…


2度と戻ることないんだろうか。


違う。これが"本来の自分"あるべき姿なんだ。



ぐるぐると頭の中に"何か"が渦巻いていく。

『あれ?ごめん。聞かないほうがよかった…かな?』



「あっ、ごめんごめん!瑠衣は大丈夫!!きっとすぐ良くなって…」


その瞬間喉が詰まり目から大粒の涙が溢れ出てきた。


「ごめん!トイレ!!」


そう言ってその場を走って離れる。


その時、改めて自分が"この件について"しっかりと気持ちの整理ができていないんだと知った。


次々と溢れ出る涙を空へ撒き散らし、夕暮れの中を走った。

俺は先程莉結と座っていた丘に来ていた。



なんで俺、飛び出して来ちゃったんだろ。


だけど、今は誰とも話したくないな。


水平線に輝く夕陽が黄金色に輝き辺りを金色に染めていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓"本日は性転ナリ"最新話毎日更新中!!↓ https://www.alphapolis.co.jp/novel/77353022/499155980 ↑お気に入り登録・コメントお待ちしております↑
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ