After Story…Aya.12
私が愛していい？…そんな訳が無い。
私が犯した罪は、衣瑠や莉結、そしてほのかさんと…千優さんだったかしら…それと"元トモダチ"の美佳と瀬奈…彼女たちに"許された"なんて勘違いをしていた。いや、許されたなんて思ってはいなかったけれど、優しく接してくれた衣瑠と莉結に甘えてその"罪"を忘れかけていたのかもしれない。
そして今日、"当事者の彼女"を見て私は思い知らされたのだ。"過去は無かったことにはならない"そして"私が付けてしまったキズ"から生まれた錆は私が知らない間にどんどんとその周りに拡がっていってしまっていたのだと。
そう、その錆はあんなに小さな子の心にまで…
『そんな事ないわ、彩は当然の事をしたまでじゃない。だって衣瑠は貴女の"光"を奪ったのよ？？』
「違う…奪ったんじゃないわ…アレは私に魅力が無かっただけ…あんな事するべきじゃ無かったの…」
『だとしても彩1人では実行に移せなかった。そうでしょう？？"あの2人"が協力するなんて言わなければあんな事にならなかったの。彩は騙されたのよ、可哀想なのは彩。』
「もういいよ…私は罪を償わなきゃ…もう私の居場所なんてないのだから…」
『ダメ。彩が死んでしまったらワタシが悲しいもの。そこまで言うのなら全てワタシが許してあげる、私が全ての罪を受け入れる。だからワタシと生きるの。彩は何も悪くない。悪いのはワタシ。そして彩がすべき事は私への償い。』
「アヤへの償い…？」
『そうよ、ワタシは貴女。貴女はワタシ。だからそうやって罪を償っていけばいいのよ。それなら彩は逃げていない。罪を償い、ワタシを愛してワタシに愛される。誰も悲しまない唯一の選択。』
「それで…私は許されるのかしら…」
『えぇ、許されるわ。だから、そこからワタシの元へ来て♪そうすれば全てが上手くいく。』
稚華も…それを望むかしら…
すると周りが眩い光に包まれ、みんなの姿が現れる。
稚華に衣瑠、莉結やお父さん、お母さん、家政婦のお姉さんに学校のみんな…
皆の顔は微笑み、アヤの答えを望んでいるようだった。
…私はアヤと生きるべきなのね。
そう私は確信した。
"アヤ…私と生きて…"
そう私が口にしようとした瞬間、どこからとも無く頭の中に突き刺さるような、とても透き通った声が響いたのだった。
