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本日は性転ナリ。  作者: 如月アル
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体験学習

俺は今、大変な事に気付いてしまった。



今朝から妙な清々しさを感じていた。


それは"女として生きる"と決心できた事からの、

心境の変化によるものだと思っていた。



しかしそれだけではなかったことに気づく。


その清々しさ…


胸元がやけに清々しかったのだ。


ノーブラジャー。


それを世間一般では"ノーブラ"と言う。


それを気づくきっかけが"体験学習"だったのだ。



3月といえど晴天に恵まれ、(俺は性転に恵まれてしまったが、笑)そんなんはさておき…

晴天に恵まれ、気温は上昇し続けていた。


体験学習では地元の間伐材を使った工作をする事になっちいたのだが、

工作室は風通しがあまり良くなく、異様な熱気を放っていた。


次々とジャージから体操服姿にチェンジする生徒たち。


俺も暑さに耐えかねジャージを脱いだ。いや、脱ぎかけた時だった。


アレ?



あまりに清々しい胸元。


いつもの締め付けられる違和感が無い。


という事は…


ヤバい。忘れた。


慌ててジャージを着直す。


そして莉結にこっそりと報告する。



「あの…ブラ着け忘れたみたい。」


『え?!なにやってんのよぉー(ToT)』


その声に視線が集まる。


てへっ♪っと頭に手を遣り微笑んでやる。


すると面白いくらいに男子どもの表情はニターっと柔らかくなった。


こいつらバカだ。


しかしどうしよう。


一度気になりだすとその事しか考えられない。


屈んだ時に胸が見えるかも!とジャージのファスナーを首元まで上げる。


暑い…


こんな汗かいたら…


ん?汗かいて当たり前じゃないか。

同じ人間なのに何故女子だけが匂いに敏感にしなければならないのだ。


しかし…やはり俺も"女だから"という社会に染み付いた"常識"とやらに洗脳されてしまっているようだ。


気になる。



暑さと恥ずかしさで頭がパンクしそうになりながらもなんとか体験学習を終えることができた。





…と思いきや、

何を思ったか"わかな野外活動センター"のセンター長(推定60歳)が『あの子の作品は素晴らしい。是非前に出て発表してもらったらどうですか?』なんて先生に対して言い始めた!!



何言ってんだよぉ!こんなモン発表する程の出来栄えじゃないし、

みんなの視線浴びたらバレちまうだろっ!!



『衣瑠さん。前に出てきて発表してください。』


「あ…はい。」

左手で右腕を持つ形で胸を隠しながら前へ進む。


「えっと…フクロウちゃんです。それじゃぁ…」


『おっと、もっと見えるように上に上げてもらっていいかい?』


はぁっ?!こいつ…俺の状況知っててワザとやってんじゃないのか?!すけべオヤジ!!!

(当然そんなことはありません。)


「は…はい。」


うわーぁ!!ゼッタイバレた!ふざけんなー…


恥ずかしさで死にそうー…


男子の視線がエロくしか見えねー…



『どうもありがとうございました。それじゃぁ戻って下さい。』


席に着くと莉結が一言。


『ねぇあれじゃぁ胸隠してるのバレバレだよー!!気づかれちゃったらどうすんのさぁー…もぉー。絆創膏あげるから後で貼りなよ。』


何故に絆創膏??


話の流れ的にノーブラ話だったろ?

怪我なんてしてないけど?


俺の頭にまた疑問が生まれた。


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