表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本日は性転ナリ。  作者: 如月アル
179/225

高嶺の桜

『ねぇ、そういえば天堂さんの家って建設会社だよね?なんとか言って桜の木持ってこれないかな…』


それはとんでもない発想だったが、私たちにできる唯一の希望だった。

そもそも"タカネザクラ"と言うものが売っているものなのかも分からない。私たちが見たサイトには"野生種"となっていたが、そこらへんの山に生えているものだろうか…


問題は山積みだが、今はそんな事調べている余裕はない。


私は彩ちゃんへ電話を掛け、事情を説明すると、すぐに聞いてくれるとの事で折り返しの電話を待った。


「もしもし?…どうだった?」

しばらくして掛かってきた電話の声は、聞かずとも答えが分かるものだった。

『うん。その事なんだけど…やはり何度言っても聞いてもらえなかったわ…ごめん。』


「…そっか。そうだよね。急にごめん。別の方法を考えてみる。」


万事…休すか…


こうなったら植木屋さんとかに片っ端から電話掛けて聞くしかないか…


私と莉結は家に戻ると電話帳を開き、専門業者へ片っ端から電話を掛けていった。


が、しかし結果はどこも同じだった。


もうかなりの時間が失われた。限られたとても大切な時間だというのに…


『もう、戻ろう。レイちゃんの側に居よう。』


やり切れない気持ちを残したまま私たちは病院へと戻った。


病室では変わらずに稚華さんが眠ったままのレイちゃんの手を握って寄り添っていた。


「稚華さん…ごめん…」


私が言葉を続ける前に稚華さんは微笑んでこう言った。

『いいの。ありがとう。嶺もこうやって一生懸命にやってくれたってだけで嬉しいと思う。だから…側に居てあげて。』


静かに眠るレイちゃん。その目が開いた時、私たちはどう接したら良いのだろうか…




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓"本日は性転ナリ"最新話毎日更新中!!↓ https://www.alphapolis.co.jp/novel/77353022/499155980 ↑お気に入り登録・コメントお待ちしております↑
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ