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本日は性転ナリ。  作者: 如月アル
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迎える"その時"

そして一目散に嶺ちゃんの元へと歩み寄り、ギュッとその身体を抱きしめたのだった。


しばらく抱き合った後、顔を上げた2人の目にはキラキラと輝くものが見えた。


そこでふと気づく。「あれ?レイちゃん…」


稚華さんがレイちゃんのニット帽を摘み上げると『オソロー♪』と言って頭と頭を合わせた。


その時に"あぁ、そういうことだったのか"と納得する。


今までガラス越しでしか触れ合うこと出来なかった2人が今、ガラスの向こうで触れ合っている。それだけで何故かとても気持ちが良いものだった。


『ごめんトイレっ!』


『えぇ??今やっと消毒終わったのにー。見ないから出なくてもいいでしょ??』


そんな稚華さんも部屋の外に出され用が終わるのを待った。


『意外と無くなるとスッキリして良いもんだよ♪』


自分の頭を撫でながら稚華さんが言う。


私たちも便乗してツルツルの頭皮を笑いながら触った。


『いいよー♪』

レイちゃんの声に再び部屋へと戻る。


このまま2人の幸せが続きますように。そう何度も願った。



それから変わらない日々が過ぎ、ちらほらと蝉が鳴き始めた頃、蒸し暑い夜に一本の電話が鳴った。


「あ、稚華さんどうし…」


『嶺がっ!!嶺が!!』


ただならぬ雰囲気に背筋が凍りつく。

私は莉結と共に病院へと走った。


病室へと向かうと廊下に稚華さんの姿が見えた。


「稚華さんッ!!レイちゃんは??」


青ざめたその顔がこちらを見つめた。


『私、サイテーだ…』


「どうしたの?何かあったの?」


すると稚華さんは涙ながらに話し出した。






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