プレゼント
そして私たちは"普段通り"に学校を終えた。校門へ歩いて行くと違う制服の女の子が門の外に立っているのが見えた。
「『稚華さんっ?!』」
メガネを掛けていて一瞬分からなかったが、そこには制服姿の稚華さんが立っていた。
『お、お疲れっ、昨日はゴメンね。ホントにありがと。』
稚華さんがココにいる事も驚いたが、なによりレイちゃんに付きっきりとばかり思っていたのに学校へ行っていたことに驚いた。
「学校…行ったんだっ。」
稚華さんは下を向き、頭を掻いて『嶺がうるさくってさ。』と答える。
「じゃぁ、行こっか♪」
『ありがとね。ってどしたの??』
稚華さんの視線が"私たちの手"に向けられる。
『えっと…フツーでしょっ?ぁはは…♪』
「そっ♪普通だよっ♪」
私はしっかりと握られた手にキュッと力を込める。
『学校のみんな見てるけどッ…意外とオープンなんだねっ…』
「もう気にならないもん♪さっ、行こっ、レイちゃんとこ♪」
病院に着き、"消毒"を終えレイちゃんの元へとやってきた。
『おぉー♪衣瑠ねぇに莉結ねぇ♪もう学校終わったんだねっ♪』
ガラス越しに両手を広げて喜ぶレイちゃん。
「うんっ♪元気そーだねッ♪そだそだっ、レイちゃん服とか欲しいよねぇー??」
『欲しいー♪けど、どしたの急に??』
「ジャジャーン♪雑誌持ってきたよー♪」
そう言って1ページずつ丁寧に消毒した雑誌を取り出す。
『これ先生に部屋に持ち込んでいいって許可もらったからまた病院の人に持ってってもらうね♪』
『ホントっ?!ヤッタァ♪この部屋暇なんだぁー…テレビあるけどニュースとかテレホンショッピングばっか。だから外見る事くらいしかやる事なくてさぁ…』
この部屋はこの病院でも最上階の病室で、患者さんの気晴らしになるように特別景色がいい場所に配置してある。ってこの前先生が言っていた。