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♯5プロローグ【ツヨクナルオト】

♯5できました。かなり疲れましたが予告通り、新キャラ出しました。ネタバレを防ぎつつ性格を出すのに苦労…苦労…苦労…それでは読者様、お納め下さい。『次回から本編又は補足用間幕の予定です。新キャラRUSHですよ〜。切りが良いのでここまでの感想とか戴けたら嬉しいです。』

川上さんと別れてから、重い足取りでようやく家に辿り着いた。


【正義】

「ただいま」


玄関で靴を脱いでいると、父さんの靴がある事に気が付いた。


9時前に帰るなんて珍しいな。まだ8時過ぎなのに、なんて考えながらリビングに歩いて行きドアを開けようとノブに手を置いた時。



【明斗】

「もう…自分の『生い立ち』を話しても…良い頃なんじゃないか。正義も来年には高校生になるし、人の痛みが理解してやれる心の強さを持った」



『生い立ち』…どういう意味だ?それに父さん、あんなに声を震わせて。


不安になり『聴くな!』と主張する意識、『知りたい!』と主張する意識が混濁して、その場から動けなかった。



【英理朱】

「あの子は強くなんかないわっ!…家を出る時もあんなに思い詰めた顔をして……恐らく断るつもりでしょう。今頃自分を責めて…ボロボロになってるんじゃないの?…私はあの子が幸せならそれで……それだけで良いの!!…今話したら……あの子がっ…壊れそうで……怖いのよっ!!!」



壊れる?怖い?俺が?何、何なんだ…でも母さんがあんなに取り乱した声…聴いた事無い……俺の知らない…2人が居る。



【明斗】

「それは俺だって怖い。拒絶されたらっ…でもアイツがどんな状況だろうと、いつかは乗り越えなきゃいけないんだっ!…俺は……いい加減疲れたんだ……肩から荷を降ろしたいんだ」


【英理朱】

「明斗!……貴方っ!![最後まで聴いてくれ]…………解ったわ」


【明斗】

「勘違いするな。責任を終えたいだけじゃないんだ!前に進みたいんだ!!もっと近付きたいんだよっ!!!…不安なんだよ。アイツがどこかで知って、突然居なくなりそうでっ……………もう限界なんだ…お前……夜遅く…リビングで泣いてるよな?…お前も限界なんだろ?……このままじゃ…3人共壊れてしまう。………何もかも……全部っ!」


【英理朱】

「ごめんなさい。明斗さんがそこまで思い詰めてたなんて…気付けなくて……解ったわ。話してあの子を…私達で支えましょう。そして、3人で挨拶に行きましょう……遅くなって、ごめんなさいって」


【明斗】

「そうだな。正義の奴遅いな…探しに行くか」


肝心な事は解らないまま…か。でも2人は俺の事であんなに悩んでくれた。決意した。なら俺も全てを受け入れる!…何を言われても…最高の父さんと母さんに応えてあげたい。


覚悟を決めてリビングへのドアを開けた。




【正義】

「ただいま…父さん…母さん」


2人は俺を見た瞬間、苦虫を噛みつぶした様な顔をした。


【明斗】

「正義…聴いてたのか?」


恐る恐るといった感じで聞いてきた。


【正義】

「話してくれるよね…俺なら……大丈夫…何を言われても……受け入れるから…覚悟…決めたから」


【明斗】

「母さん、正義にコーヒーを煎れてくれ……正義…座りなさい」


母さんがキッチンに向かってから、父さんの座っている対面にあるソファーに腰を下ろした。







数分後母さんが戻って来てコーヒーをガラステーブルの上に置いた。父さんの隣に腰を下ろすと2人は顔を見合わせ頷き合った。そして真剣な顔を向けてきたので、俺も軽く呼吸して身構えた。







【明斗】

「とりあえず、最後まで聴きなさい。後で全て答えるから」


肯定する様に大きく頷いた。


【明斗】

「正義…お前は俺達の本当の子供じゃない。」


!!!…嘘だろ。いきなりキツいな、でも最後まで聴かないといけない。朦朧とする意識を唇を噛んだ痛みで堪えた。


【明斗】

「本当の両親はもう、この世に居ない。アメリカのワシントンに住んで居て、2人共仲の良い…俺達が理想とする夫婦だった。父親の正人さんが交通事故で亡くなった時、母親のリリスさんのお腹にはまだ6週間だったお前が居た。リリスさんは正人さんを失って、精神的にかなり不安定になっていた。だから姉を心配した英理朱が、リリスさんを呼び寄せたんだ。リリスさんは不妊症で6年かけて、お前をお腹に宿した。嬉しかったろうな…でも、妊娠が確認できた日に…正人さんが亡くなった。天国から地獄に叩き落とされたんだ。日本に来た時はいつ壊れてもおかしくない…酷い状態だった。何を話かけても上の空、食事は殆ど摂らない…夜は寝ていない…そんな状態だ。3日後に倒れたよ。病院で点滴を受けながら、睡眠薬で無理矢理眠らせていた。…5日程経って、睡眠は摂る様になったけど、食事は殆ど摂らないままでな。すっかり痩せ細ってしまったんだ。


〈このままじゃお腹の子供に影響がでちゃう〉と英理朱がリリスさんを叩いたんだ。


〈正人さんから授かった大切な命でしょ!…貴方1人の物じゃないのよっ!〉泣きながら怒鳴ってさ。その時初めて口を開いたんだ。お腹を擦りながら、波を流して


〈ゴメンね。辛かったよね。馬鹿なお母さんを許してね〉…それから元気になってお前を産む為に分娩室に入る直前、リリスさんが


〈私もエリスと同じで身体が弱いの。頑張るけどもしもの時はこの子、男の子なら『正義』女の子なら『梨理華』の事、本当の子供として育ててあげて〉って託されたんだ。


そしてリリスさんは命を懸けてお前を産んだ、その時に誓ったんだ。


『正人さん・リリスさん・俺・英理朱の4人分の愛情を注いで、お前と俺達3人で必ず幸せになる!』ってな


そうして正義、今のお前が居る」




















衝撃的だった。父さんが『義父』母さんが『義母』しかも本当の母親の妹…どうりで英理朱さんと俺が同じ金髪朱瞳な訳だ。


でも既に他界していると聴いた時はショックだった。…でも余りピンと来なかった。他界してしまった両親にも感謝しているが。産まれてから実の子供でも無いのに今迄、何不自由無く育ててくれた目の前に居る両親の15年間の溢れんばかりの愛情に感謝した。


不意に目の前が霞んできて涙を流している事に気づき、コートの袖で拭おうとしたが、それよりも速く母さんに抱き締められた。


【英理朱】

「ごめんなさいね…今まで黙ってて……どれだけっ…怒ってもっ…罵ってもいいからっ………母親で…居させてっ…」


俺の肩にポタポタと母さんの涙が落ちてきた。こんなにも愛されて、普通の家庭よりも幸せだと想うと涙が止まらなかった。


話を聴く前より両親のことが愛しくなり、抱き締めてくれている母の腰に手を廻して抱き返し、今1番言いたかった言葉を贈った。


【正義】

「ありがっ…とっ……『お母さん』…『お父さん』……これから…もっ…『家族』で…居てもっ…いいの?」


言ってから直ぐに、横から父さんが抱き着いて来て。


【明斗】

「当たり前だ!…誰が何と言おうがっ…お前はっ…俺達の子供だっ!!」


【英理朱】

「そうっ…いえば……まだっ…言って無かったわね………お帰りなさい…まー君っ」


抱き締められながら、この人達の子供で本当に良かったと想った。沢山の『ありがとう』を言葉に乗せて。



【正義】

「ただいまっ!父さん!母さん!」









暫くそのままで抱き合い…その日は両親の部屋で2人に挟まれて眠りについた。






















俺が七瀬家の『本当の家族』になれてから、受験先を緑台高校から鳴響学園に変えた。



1番の理由は亡くなった両親と今の両親の母校であり、出会った場所だから。同じ空気を肌で感じてみたかったからだ。



後は緑台と比べて近いからだ。電車で2駅先より自転車で20分の方が圧倒的に楽だ。(上り坂はキツいが…)



―七瀬家‐正義の部屋―



今日は12月30日。そんな訳で今、受験生らしく勉強している。(今の学力でも余裕があるんだけど…ピアノで推薦を受けると厄介な事になるしな)…休憩するか。



白いハイネックのセーターの上に黒のファーコートを羽織り、部屋を出た。階段を降りて、リビングを横切り玄関に向かった


【英理朱】

「まー君、出掛けるの?」


【正義】

「うん。ちょっと、息抜きに…外の空気吸って来るよ」


靴を履きながら返した


【英理朱】

「じゃあ、コンビニで単4の電池買って来てくれる?」


【正義】

「わかった。歩きで鳴北まで出てくるから、一時間半位で帰るよ。」


と返して、家を出た。


家から1番近いコンビニは住宅街の中程にあるのだが(歩きで15分)、気分転換が目的なので鳴北まで歩いていた。


20分程経ち藍ヶ丘を抜けて、鳴北に入って直ぐの所にある春日東かすがひがし公園の前を通り過ぎようとした時だった。


【???】

「ひっく…うっ…」


公園の中から女の子の泣き声が聞こえた。


踵を返して公園の中に入って声を辿ると、入口からは見えない奧のベンチに中学生?位の女の子が座って顔を両手で覆い泣いていた。



目の前まで歩いていき、優しく語りかけた。



【正義】

「どうしたの?」


すると女の子は顔を上げて、泣き腫らして真っ赤になった瞳で此方を睨んできた。


【???】

「貴方…誰?」


警戒しているのか、低い声で返してきた。


【正義】

「俺は正義まさよしだ。15歳 。春日中に通ってる」


警戒を解いてもらう為に、肩に竦めてからおどけた様に言った。


【???】

「プッ…何ソレ。聞いてないんだけど」


ちょっとだけ、笑ってくれたので話せるかな?と思いつつ泣いていた理由を聞くことにした。


【正義】

「隣…いい?」


頷いたのを確認して1人分の間隔を空けて、ベンチに腰を下ろした。


【???】

橘恋華たちばなれんか15歳まで後2日。宮女に通ってる…恋華って呼んで」


ワンテンポ遅れて、自己紹介をしてきた。とりあえず気になる事を言っていた気がしたで、聞いてみる事にした。


【正義】

「恋華って元旦産まれなの?…それと、橘って鳴海の分家の?」


【恋華】

「うん。元旦産まれだよ。それにしても、鳴海の分家って良く知ってるね」


美咲桜の事を聞こうか悩んだが、変に思われる前に本題を切り出した。


【正義】

「ちょっと知り合いがね…それより、恋華は何で泣いてたの?」


航の事を話すと話が脱線しそうだったので、言葉を濁した。


【恋華】

「アタシのお母さん、まだアタシが5歳の時に病気で死んじゃったんだ。…今日、家に居たら昼間にお父さんが知らない女の人を連れて来たの。その人誰なのって聞いたら、お父さんがこの人と再婚したいって…何も聴かされて無かったから、家を跳びだしちゃったんだ」


再婚か…難しい問題だな、でも今の俺なら。


【正義】

「それで…お父さんの再婚には反対なのか?」


【恋華】

「…反対って訳じゃないんだけど、納得いかないというか…何かイヤじゃん」


自分でも良く解らないみたいだな。意識が低いから何とかなるかな。


【正義】

「とりあえず、お父さんと話して見れば?…それでその母親候補と話せばいいだろ?」


【恋華】

「でもその女の人お父さんにベッタリだったんだ。家に何回か来てればいいんだけど。いきなりだから、ムカついちゃって…この泥棒猫って感じ?」


【正義】

「何故に疑問系…まぁいいや。反対って訳じゃないんだな?」


【恋華】

「うん。お母さんをもう愛して無いんだって考えたら複雑だけど」


そう言って顔を伏せた。


【正義】

「そのままで良いから聴いてくれ……家はさぁ…本当の両親じゃ無いんだ。親父は交通事故、母さんは俺を産んで死んだ。だから本当の両親は写真でしか見て無いんだ。だから、本当の父親が居る恋華が少しだけ羨ましい」


そこまで話してから、恋華の方を向くと頬を一筋の涙が伝った。コートのポケットからハンカチを取り出して渡すと、目元を押さえていた。


【正義】

「お母さん…亡くなってもう10年になるんだろ。お父さんは寂しいんじゃないかなぁ…亡くなった人を想い続けるのって、相当キツい事だと思うよ。それに今の恋華を見てれば、お父さんがどれだけ真剣に恋華と向き合ってたか…良く解るよ。…[解る訳無い!]……最後まで聴きなって言ったろ?それに俺、人を見る瞳は自信があるよ。…お父さんが真剣に向き合って育てたから、今の恋華は真っ直ぐなんだろうな。再婚も死んだお母さんを引き合いに出す位だしね。片親で育てる場合って一方的なんだよね…片親から子供への愛情。両親だったら、半々で済むしパートナーと受け渡しが出来るしね?」


言い終わってから頭をポンポンと撫でてやった。


【正義】

「此処まで聞いても、まだ納得いかないか?」


【恋華】

「解ったよ。アタシって恵まれてるよね…甘えてた。帰ってちゃんと話してみるよ!」


そう言ってハンカチを此方に返して、ベンチから立ち上がり。


【恋華】

「話を聴いてくれてありがとう。それじゃあね、マー君」


軽く手を振ってから公園から出ていった。


目的は果たせたかな?とりあえず、航に受験先を変えた事でも教えてやるか?


来た道を戻りながら、携帯を取り出して航に電話をかけた。


Tr―


【航】

『もしもし?』


【正義】

「出るの早すぎだろ?ずっと俺からの電話を待ってたのか?」


【航】

『うん。実はそ―』


Pi


最後まで言わせずに電話を切った。


『♪〜♪♪〜〜♪〜』


間発いれずにかけ直してきた。


【航】

『何で切ったんだよ!』


ちょっと怒っていた。


【正義】

「…俺は男色じゃないぞ」


【航】

『文化祭の事、まだ根に持ってるの?…まぁいいや。それで何の用なの?』


【正義】

「俺も鳴響行くから。宜しくな。」


【航】

『緑台受けるの辞めたんだ?でもどうして?受かるだけの学力あるのに…鳴響よりランク上なのに…良いの?』


【正義】

「それを言うなら、お前もだろうが…常にTOP3の癖に…嫌味?」


【航】

『俺は父さんの決めた事に従うよ、大学はある程度自由に選べるから別に問題無いよ?』


【正義】

「そうか…そういえば、さっき橘って娘が……やっぱりいいや」


【航】

『橘ってウチの分―』


Pi


えらく食付きが良くウザイので電話を電源ごと切った。


気が付くと家の近くまで来ていたが空から水滴が落ちてきた為、空を見上げると茜色に輝く太陽が灰色の雲に消えた。


本格的に降り出してくる前に、走って家まで帰った。





















因みに家に帰ったら、玄関に母さんが仁王立ちしていて。


【英理朱】

「…電池は?」


【正義】

「………行ってきます」


どうやらテレビのリモコン用らしく、ご機嫌斜めの為に傘を挿して近所のコンビニ迄走った。

プロローグENDです。今回は家族の絆についてのお話でした。この話は裏に重要な部分があるので、無くてはならないイベントでした。

――本編の主成分―――主人公×1――――――メインヒロイン×1『バレバレ』―――――――男友達×1『バレバレ』サブヒロイン×4となっております。プロットの見直し&地名の確認等がある為に気持ち更新が遅れるかも知れません。それじゃ次回にお会いしましょう。

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