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僕とキミとで旅するこの異世界を

処女作です。

日々頭の中であーでもないこーでもないと悶々としていたものを

思い切って書き起こしたのがこの作品です。


ネタが尽きることは無いとは思いますが

設定上矛盾が出ることが無いよう気を付けたいと思います。


長くお付き合いいただければ幸いです。


宜しくお願いいたします。

「はい、これが皆さんの(仮)冒険者カードです。

 学校を卒業後、正式なものに交換します。それまでは無くさないように!」


体育館横に建てられた三階建ての小屋、冒険者ギルドの白岡出張所にて

看板職員でもあるクラリーヌさんの説明を3年4組の32名は心ここにあらずな状態で聞いていた。


白岡高校入学後、自分達を待ち受けていたのは

ギルドから派遣されてきた教官達による鬼のような特訓に次ぐ特訓、

そして頭がいくつあっても足りないであろう圧倒的量の座学であった。


土日も登校、祝日何それ状態。

救いは通常通り与えられた夏休みと冬休みだったが

『ただ休ませると思ったの?馬鹿なの?』という教官の愛を感じられる

莫大な量の課題のオマケつきだった。


そんな二年間も今日をもって終わりだ。


201X年4月、俺達は無事3年生となることが出来た。


ようやく冒険者(仮)となるのだ。


「ではカウンターで職員が名前を読み上げますので、呼ばれた方から来てくださいー!」


「青木ゆかちゃん!」「赤城健一くーん」


五十音でクラスメイトが順々に呼ばれ、ボーリング玉大の水晶球に手をのせ職員が操作すると

各々反応があった後、諸注意を説明され冒険者カードを渡される。


恐らくあの水晶球が初期適正クラスを決定するという『旅立ちの選定石』という神代遺産なのだろう。

通常の攻撃、魔法では一切傷をつけることが出来ないらしいあの水晶球は

神代遺産という名前の仰々しさに反して割と世界に出回っているらしい。


ともかく、この初期設定で決められたクラスは神の意志であるとして

容易に変更することは出来ない。


変更出来るのはクラスアップする条件を満たした時か、

そのクラスを継続することが不可能となってしまった時だけ。


なのでこの初期クラス決定は今後の冒険者人生を左右するのだ。


「佐藤匠くんー」「佐藤かなめちゃん」


ようやく自分が呼ばれ、ふと隣にいた女子と目が合う。


幼稚園からの腐れ縁、髪型はショート、やや釣り目の幼馴染がニヤりと笑いながら口を開いた。

「たくみぃ、あんた根暗だし盗賊とか似合いそうだよね」

「そうだな、かなめは動物大好きだし従魔師とか似合うんじゃないかな」

「っ!! ほんと嫌なやつ!」


根暗なのは本当だし、かなめが動物、特に小動物が大好きなのも本当だ。

ただし、かなめは当の動物から一切好かれない特性持ちな訳だが。


自分に向かって中指を突き上げてる下品な幼馴染を尻目に水晶の前に立つ。


「えーと、左手をのせるだけで良かったんでしたっけ?」

「そうだよー!それだけで神の御言葉が頭の中に響くのでーす!」


ツインテールの見た目幼女な見目麗しいエルフ、レイテさんだ。

水晶に手を伸ばそうとする自分にレイテさんが

「無能には何も聞こえないらしいよー」

とポツリと言う。


内心びくりとしつつも、態度には出さず

「レイテさんは爆弾乳受付とか聞こえたんですかねぇ」

と返すと

「もー!君は私以上に性格悪いなー。これでも気にしてんだぞ。君たちの元いた世界でいうところの…なんだっけ、そうせくはら!セクハラ男だー!」

「はいはい」


真横からも「セクハラ男ー!」って聞こえるが無視無視。


今度こそ、と水晶玉へ手をのせる。


―― ―― ――


何も聞こえない。焦る。まさかさっきロケット乳ロリエルフ受付さんの言うことは本当だったのか?


『あーあー、あ 聞こえる?チキュウジンはこんなにひとりひとり合わせるのが大変なのかなー?なんか独特なんだよねぇ、まぁ慣れてきたけど。私神だしぃ。』


気軽だな神。


『あ、ごめんね。いつもこんなに苦労しないからさぁ。さて神聖な儀式だしね、ここからは神っぽくちゃんとやるよー!』


おう、頼むぞ。


『うん、万能な感じだな君は。何でも大概こなせそう。器用貧乏にも陥りやすいけどねー、でもこの世界では生きやすいタイプだね。んー迷うな。君何になりたいの?』


神っぽくとはなんだったのか。

特にこれと決めていなかったけれど…一人でも生き抜ける力が欲しいかな。


『なんだ、君はぼっちか。ぼっち特性か。』


おう内心を抉ってくんな。その通りだけど。


『よしよし、分かった。では決めた。君の職業は―』

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