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黒の章  作者: 叢雲ルカ
第2章
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大罪の対価⑭

 それから3日が過ぎたある日、事務所にて――――

「ルイ。もう大丈夫なの?」

 リフィルが心配している。ルイの衰弱が激しく、体への影響がそれだけあった。

「ああ、問題無いよ。鍛え方が違うから、それにいい加減起きないと、又、スタンガンを浴びちまう。それだけは避けたいからな」

 ルイは意地悪く言う。

「もう」

「んじゃあ、行くか」

「ええ」

 リフィルが喜んでいる。と、言うのも、今日がその『約束の日』だからだ。

「本当にいいんですか?」

 申し訳なさそうに、ロウが聞いた。

 それはリフィルが出発しようとした矢先であった。

「ああ、いいよ。俺と所長いなくなると、事務所閉めないと行けないんだ。だったら、一緒に行こうぜ。その方が楽しいし」

 ルイはあろう事がロウを誘っていた。

「……映画、久しぶり」

 レンは映画雑誌を見てしっかり予習していた。

「映画館はまだ行った事無かったけど、テレビとどう違うんですか?」

 ニカが誰かに聞いていた。

 訂正しよう。ロウ、レン、ニカを誘っていた。

「ルイ、2人きりじゃないの!」

 リフィルが声を荒げる。

「あん? 俺、そんな事言ったか?」

「言ってない」

 リフィルはルイがそう言う男だと、気持ちが舞い上がっていたので、すっかり忘れていた。

 そもそもこの事務所で恋に気を使う男も女もいなかった。

 唯一ロウだけが、気にして一応聞いていたが、分かっていたらそもそも参加を辞退するだろう。みんな無神経過ぎた。

「所長、何落ち込んでいるんだ? 所長が行きたいって言ったんだぜ」

「そうだけど」

 「違う!」とは口が裂けても言えない。

 ルイは何も間違っていないからだ。ただ少し幼すぎるのだ。

「まあ、いいわ」

「どうした?」

「何でも無いわよ。早く行きましょう」

「そうか、良かった。だったら行こう」

 ルイは笑うと、先頭を切って歩き始めた。

(はあ、もう少し気が利いてもいいと思うんだけど……はあ……)

 ルイに色恋を求めるのは無駄だと改めて実感した。

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