大罪の対価⑭
それから3日が過ぎたある日、事務所にて――――
「ルイ。もう大丈夫なの?」
リフィルが心配している。ルイの衰弱が激しく、体への影響がそれだけあった。
「ああ、問題無いよ。鍛え方が違うから、それにいい加減起きないと、又、スタンガンを浴びちまう。それだけは避けたいからな」
ルイは意地悪く言う。
「もう」
「んじゃあ、行くか」
「ええ」
リフィルが喜んでいる。と、言うのも、今日がその『約束の日』だからだ。
「本当にいいんですか?」
申し訳なさそうに、ロウが聞いた。
それはリフィルが出発しようとした矢先であった。
「ああ、いいよ。俺と所長いなくなると、事務所閉めないと行けないんだ。だったら、一緒に行こうぜ。その方が楽しいし」
ルイはあろう事がロウを誘っていた。
「……映画、久しぶり」
レンは映画雑誌を見てしっかり予習していた。
「映画館はまだ行った事無かったけど、テレビとどう違うんですか?」
ニカが誰かに聞いていた。
訂正しよう。ロウ、レン、ニカを誘っていた。
「ルイ、2人きりじゃないの!」
リフィルが声を荒げる。
「あん? 俺、そんな事言ったか?」
「言ってない」
リフィルはルイがそう言う男だと、気持ちが舞い上がっていたので、すっかり忘れていた。
そもそもこの事務所で恋に気を使う男も女もいなかった。
唯一ロウだけが、気にして一応聞いていたが、分かっていたらそもそも参加を辞退するだろう。みんな無神経過ぎた。
「所長、何落ち込んでいるんだ? 所長が行きたいって言ったんだぜ」
「そうだけど」
「違う!」とは口が裂けても言えない。
ルイは何も間違っていないからだ。ただ少し幼すぎるのだ。
「まあ、いいわ」
「どうした?」
「何でも無いわよ。早く行きましょう」
「そうか、良かった。だったら行こう」
ルイは笑うと、先頭を切って歩き始めた。
(はあ、もう少し気が利いてもいいと思うんだけど……はあ……)
ルイに色恋を求めるのは無駄だと改めて実感した。




