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黒の章  作者: 叢雲ルカ
第2章
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大罪の対価⑩

 レン、ロウ、そして、ロウの背中に乗っているニカは屋根を伝い、必死にクリスタルから逃げていた。

「何処まで続くの、これ?」

 ニカがいい加減痺れを切らし、レンに問う。

「分からない。ただ、悪い予感しかしない」

「そりゃ、あれ見て、いい事は起きてないのは、私でも、あっ、見て」

 空き地の一角にだけクリスタルで出来た棒があった。

「……行こう」

「はい」

 レンの指示で、ロウが動いた。

「あのー、さっきから、レンさんが仕切っているけど、いいんですか?」

 ロウの耳元でニカが聞く。

「いいんです。あれでも私より長く死神をやっています。それに、彼は元Aランクの死神です。それも執行機関にいたとか」

「……ロウ。これ以上無理」

「はい、すみません」

 ロウが謝る。

(人は見た目によらないな)

 ニカはレンを少し見直した。



 リフィルはキラに追いかけられていた。

(何で、ルイは?)

 リフィルは焦った。

 その間にもキラはリフィルに追い付き、リフィルの周りをクリスタルが一気にドーム型になり、覆いリフィルは逃げ場を失った。

「リフィル。久しぶりにゆっくり話そうか?」

 キラが現れた。

「ルイはどうなったのよ!!」

「ああ、あの男か」

 クリスタルにルイの映像が流れた。

「ルイ」

 リフィルは条件反射で大鎌を出した。

 ルイを串刺しにした姿が流れ、丁度持っていた日本刀が落ちた所だった。

「おや、怒っているのか?」

 リフィルの手が震えている。

「あんな男より、俺様と仲直りしよう」

「冗談じゃない。キラよりルイの方が」

「一方通行なのにか?」

「関係無いわ。ルイはあなたと違う! あなたみたいに無意味に暴力は振るわないわ!!」

「何だ。可愛くなくなったな。だったら消えろ」

 キラはリフィルに向かい、クリスタルの刃を飛ばす。

 リフィルは瞬間的に避け、ドーム型となったクリスタルの一角を砕き、修復が終わる前に抜け出し、再び逃げた。

(あれは、嘘よ。で無かったら――――)

 リフィルはルイを信じる事にした。



 ニカ達が空き地に着いた時にはクリスタルは移動を始めていた。

 移動を終え元の空き地に戻ると、そこには一個のクリスタルだけが残っていた。

 三人は手掛かりを探るべく、空き地に入ったがそこには串刺しになったルイの姿があった。

「嘘、先輩」

 ニカは絶句して、口を手で抑えた。

「どうして、そんな……」

「ともかく、手当てしましよう。大丈夫です。ルイさんの体はまだ消滅を始めていません」

「それがいい」

 レンはクリスタルに手を当て調べていた。

「ニカ。消失の力使って、壊す」

「そんなの無理です。だって私の力はたかがしれていて」

 精々武器を消すのがやっとである。

「……僕とロウじゃ助けられない」

「そうですね。無理に破壊すれば、ルイさんの体に負担がかかります」

 レンは大きく頷き、ニカに促す。

「分かりました。やってみます!!」

 ニカはクリスタルに手を当て、願いを込めた。

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