大罪の対価⑩
レン、ロウ、そして、ロウの背中に乗っているニカは屋根を伝い、必死にクリスタルから逃げていた。
「何処まで続くの、これ?」
ニカがいい加減痺れを切らし、レンに問う。
「分からない。ただ、悪い予感しかしない」
「そりゃ、あれ見て、いい事は起きてないのは、私でも、あっ、見て」
空き地の一角にだけクリスタルで出来た棒があった。
「……行こう」
「はい」
レンの指示で、ロウが動いた。
「あのー、さっきから、レンさんが仕切っているけど、いいんですか?」
ロウの耳元でニカが聞く。
「いいんです。あれでも私より長く死神をやっています。それに、彼は元Aランクの死神です。それも執行機関にいたとか」
「……ロウ。これ以上無理」
「はい、すみません」
ロウが謝る。
(人は見た目によらないな)
ニカはレンを少し見直した。
リフィルはキラに追いかけられていた。
(何で、ルイは?)
リフィルは焦った。
その間にもキラはリフィルに追い付き、リフィルの周りをクリスタルが一気にドーム型になり、覆いリフィルは逃げ場を失った。
「リフィル。久しぶりにゆっくり話そうか?」
キラが現れた。
「ルイはどうなったのよ!!」
「ああ、あの男か」
クリスタルにルイの映像が流れた。
「ルイ」
リフィルは条件反射で大鎌を出した。
ルイを串刺しにした姿が流れ、丁度持っていた日本刀が落ちた所だった。
「おや、怒っているのか?」
リフィルの手が震えている。
「あんな男より、俺様と仲直りしよう」
「冗談じゃない。キラよりルイの方が」
「一方通行なのにか?」
「関係無いわ。ルイはあなたと違う! あなたみたいに無意味に暴力は振るわないわ!!」
「何だ。可愛くなくなったな。だったら消えろ」
キラはリフィルに向かい、クリスタルの刃を飛ばす。
リフィルは瞬間的に避け、ドーム型となったクリスタルの一角を砕き、修復が終わる前に抜け出し、再び逃げた。
(あれは、嘘よ。で無かったら――――)
リフィルはルイを信じる事にした。
ニカ達が空き地に着いた時にはクリスタルは移動を始めていた。
移動を終え元の空き地に戻ると、そこには一個のクリスタルだけが残っていた。
三人は手掛かりを探るべく、空き地に入ったがそこには串刺しになったルイの姿があった。
「嘘、先輩」
ニカは絶句して、口を手で抑えた。
「どうして、そんな……」
「ともかく、手当てしましよう。大丈夫です。ルイさんの体はまだ消滅を始めていません」
「それがいい」
レンはクリスタルに手を当て調べていた。
「ニカ。消失の力使って、壊す」
「そんなの無理です。だって私の力はたかがしれていて」
精々武器を消すのがやっとである。
「……僕とロウじゃ助けられない」
「そうですね。無理に破壊すれば、ルイさんの体に負担がかかります」
レンは大きく頷き、ニカに促す。
「分かりました。やってみます!!」
ニカはクリスタルに手を当て、願いを込めた。




