大罪の対価⑤
事務所と言っても、事務所内での仕事は殆ど無い。
たまに書類に判子捺したり、たまに会計処理をしたりする位だ。
Fランクの死神は福祉やボランティア活動、いわゆる奉仕をする為に必要となる物や連絡先、奉仕活動の拠点を知らせる伝言板として、事務所は使われた。
故に事務所内で飲食を取るのも、暇だからゲームしたり、昼寝したりしても問題ない。
ルイ達のいる事務所は、そう言う娯楽に特化している事務所の造りをしていた。
Fランクと言う。最下層ランクにも関わらず、所長であるリフィルの意向で、広々とした事務所となっている。
その中に、まず堂々としたキッチンがあった。これはロウとリフィルの為である。
ロウがいつも料理を作っているが、たまにはリフィルもルイの為に作る。
好みの味をロウから聞いて、作ってもルイの気持ちはリフィルに向かず、恋は実らなかった。
次にリフィルの衣装部屋もある。
服をチェンジしてはルイを誘惑したが断られた。本当に報われない恋だ。
次に小説や漫画、ゲーム等が保管されている所がある。これはルイとレンの希望であった。
その部屋には、他にもルイの趣味で模型やプラモデルもある。ルイは実に多趣味だった。
勿論、事務所らしく作業用の机も人数分あったが、レンは足を机に乗せ、武器を引き出しにしまい、ルイは新型の大型船の模型を机の上に乗せ、アクセサリー等の小物類を引き出しにしまい、ロウは新作のレシピやノートを乗せ、掃除に使う小道具を引き出しにしまい、仕事に全く関係無かった。
「所でニカちゃんは何か好きな事あるの?」
リフィルが聞く。
「私は特には」
「えー。勿体無い。ルイは散々、連れ回して何も教えなかったの?」
「いえ、そんな事は無いけど、ただ、ピンとこないと言うか」
「分かったわ。じゃあ、今日は私が案内する」
「えっ、でも仕事は?」
「そんなの気にしなくっていいよ。ロウとレン君がしっかりやるわ。さあ、行きましょう」
「はあ……」
ニカは曖昧に返事をする。
(要はサボりたいだけじゃ)
苦笑いをその後でした。
「さあ、行きましょう。安心してまだ部屋は空いているわ」
本当に広い事務所であった。
「そうじゃなく……」
「この世界で楽しまない何て損よ」
「話し聞いてますか?」
ニカの言葉はリフィルには届かず、リフィルはニカの手を引き街に繰り出した。




