大罪の対価④
会議室の中。
「へっくしょん」
ルイは大きなくしゃみをした。
「おや、風邪ですか?」
イヤミが聞こえた。
隣の席にいたのはAランク死神である。名前はザキラ。
何かにつけて、ルイ達に因縁をつける嫌な奴だ。
「いや、違うよ。死神は風邪引かねーし」
ケガはするが、病気は無い。
この世界に病は存在しない、病気好きな人間が現れていないからだ。
「まあ、そうですよね。しかし、あなたがまだ生きていたとは驚きですよ。あなたの所の所長に殺されていないなんて、おっと、言い過ぎましたか?」
又、イヤミを言う。
「いや、別に大した事無いよ。小さい奴が言う事にいちいち腹立てていたら、体持たねーもん。俺、所構わず悪口言う奴の言葉何か、ワザワザ聞かないよ」
「何だと、クソガキ」
立ち上がりルイの胸元を掴んだ。
「そう言う所が小さいんだ。お前、まだ気付いて無いのか? そうやって人をバカにして暴力で制圧しよう何て、小者のやる事だぞ」
「この野郎」
ザキラは殴りかかろうとしたが、ルイは視線を外すじっと見ていた。
「殴るなら殴ればいいさ。小者」
「この野郎。1発で消してやる」
握った右の拳から炎が現れた。
ルイは座ったままじっと動かず、睨んでいた。
「死ね。クソ虫!!」
「止めるのです。ザキラ」
ザキラの右腕を掴み、ザキラを止める。
「兄者。何故です。こいつが!」
ザキラが兄者と慕っている男。名前はジーク。
ザキラと同じAランク死神で、気障な男であった。
「これから、会議が始まります。今、騒ぎを起こしては困ります」
「分かったよ」
ザキラもジークの言葉には大人しく聞き、席に着いた。
「いやー。助かった。サンキュー」
「勘違いしないで下さい。Fランクの弁護をした訳じゃない。ザキラの為に止めただけだ」
「おお、お手厳しい」
「あなた達みたいに、ゴミを拾っていれば生きられる世界にいる訳でも無いのだよ」
「それは聞き捨てならねーな。俺達は俺達なりにプライド持って仕事やっているんだ。お前らそんなに俺を怒らせたいのか? いいぜ。相手になってやるよ」
ルイは物凄い殺気を出し、今度はジークを睨んだ。
(この男)
ジークは唾をゆっくり飲み、ルイから視線を逸らす事が出来なかった。
「まっ、会議が終わったらな」
ルイは笑った。
「あっ、ああ」
ジークは驚いたままザキラの隣に座った。
(体が震えている)
ジークは恐怖を学んだ。




