表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒の章  作者: 叢雲ルカ
第2章
14/26

大罪の対価③

 そんな話が繰り広げた、5日後――――

 病院の外にて。

「ザン先生大丈夫ですか?」

 ザンは傷の手当てをして、検査で入院して、今日が退院の日であった。

 死神は傷の治りが早い、それに加え、回復術がある為、2、3日で退院出来るのだ。

「ああ、あの男が必要以上に手加減したからな。ニカお前はこれから、ルイの所で働くんだな」

「はい」

「なら、気を付けろよ。あの男、何か隠しているだろうからな」

「うん」

 ニカは頷いた。

「いや、あの事務所事態がそうなのかも知れないな」

「そう言えば、先生は所長には気を付けろと言っていましたけど、知っているんですか?」

「直接は知らないが、あの女は死神殺しの大罪を犯したんだ」

「そんな」

「本来なら処刑されても可笑しく無いのだが、あそこにいる。何だかの力が働いているとしか考えられない訳だが、それがあの女の力かもしくはもっと上の権力か。どちらにしても、注意した事に越した事は無い。恐らくあの事務所にいる他の死神も、何だかの大罪を犯しているだろうからな」

「分かりました」

「ニカ。何かあれば、すぐに帰って来い」

「はい!」

 ニカは元気に返事をした。

「ニカちゃん」

 リフィルがニカを呼ぶ。

「あれ? 先輩は?」

「ルイは死神の会議に行ったわ」

 1週間に1度程、ランク毎の会議があり、主に情報交換が行われる。

 ルイはそれに参加したのだ。

 本当は所長であるリフィルが行くべき物だが、1ヶ月に1度はルイが行く事になっていた。

 今日はその方が何かと都合がいいのだ。

「今日はルイの方がいいから。ほら、あれで1番長くこの事務所にいるからね」

「ああ、そー言えば」

 ニカは思い出していた。

 一緒に奉仕活動をしている時、ニカがどうでもいい話しを切り出して来る。

 ただ、黙々とゴミを拾うのが、ニカには苦痛なのだ。

 ルイは分かっているのか、何だかんだ文句を言ってもちゃんと答えてくれた。

 その中でルイは自分の年齢を明かした。

 80年位は死神をやっているらしいが、正確な所は覚えていないとか。

 死神は戦場に出て人間と戦わなければ、ずっとこの世界にいられる不老不死の生き物だ。

 その為、ルイ達は年を取らず、長く生きていれば、年齢に頓着を無くす死神も少なく無い。

 ルイもどうやら、そんな死神の1人のようだ。

 ニカはザンと別れるとリフィルと話した。

「でも、何で先輩は所長やらないんですか?」

「ニカちゃん。よく、考えてよ。ルイが所長になったら、仕事が疎かになるわよ。あの人根は不真面目と言うより、子供だから、何だかんだ言い訳して、仕事から逃げると思うの。しかも、大事な連絡事項もすっ飛ばしかねないし」

「ああ、やりそう」

「死神の性格は死神として生まれた時に、ある程度決まりそのまま、変わる事が殆ど無いから、生まれた時からあのままだと思うの。だから、言っても聞かないのよねー」

「じゃあ、レンさんや、ロウさんはどうですか?」

「確かに、私があの事務所に来た時には、レン君もロウもいたわ。前の所長も健在で、私は最初所長じゃ無かったし、でも前の所長が消滅した時、レン君やロウも考えたけど、ロウがなったら、家事が疎かになるでしょう。それは困るじゃん」

「まあ、確かに」

 ロウの料理の腕前は格別である。

 どうやら、1人1人の味覚を把握しているようだ。

「レン君だと、いい意味でも悪い意味でも無口だから、連絡事項を省略する可能性があるのよ」

「それもあり得る」

「となると、残りは私でしょう」

「そうなりますね。でも、今日はどうして先輩何です? いくら長生きだからって、所長代理はマズいんじゃ……」

「私が行きたく無いの。今日は、Aランクの死神がいるから」

 月に1度、上のランクとの交流も会議と一緒にやる。リフィルはそれに参加したくなかのだ。

 リフィルは悲しい顔をして、遠くを見ていた。

「すみません。何か悪い事聞いたみたいで」

「いいのよ。後ろめたい事をしたのは事実だし、他の死神に後ろ指指されても当然なのよ」

「所長」

 ザンの言っていた事を思い出した。リフィルが大罪を犯したのは、間違い無いだろう。

「ルイは子供だけど、無駄に優しいから、私の代わりに行くって言ったのよ」

 どうやら、自ら進んでルイはリフィルの代わりに行ったようだ。

「もう、ルイたら、本当は私に気があるのよ」

 リフィルはその優しさに惚れていた。

(そこまでするなら、先輩も腹くくって付き合えばいいのに)

 ニカはルイのだらしなさにタダ呆れた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ