ファーストステージ⑦
深夜の倉庫にて――――
ルイが大立ち回りをして、Cランクの死神を倒すのに、そんな時間を必要としなかった。
ルイはCランク死神を縄で手足を束ね、呆れながらタバコを吸っていた。
「くそー。お前、上司に刃向かう何て、異端審問にかけるぞ」
「それはこっちのセリフだ。全く、死神が枠を超えた事するな。それに位の問題を言うなら、俺はお前らの上司になるぞ。俺はSランクの死神だからな」
ルイは壁に寄りかかり座った。
「何を言うか、Sランクがこんな所にいる訳無いだろう」
「それがいるんだ。登録上はFランクのSランク死神がな」
ゆっくりと4人の男達が歩いて来る。
その内、先頭を歩いていた男が話した。
「あなたは」
Cランク死神達の顔が一気に青ざめていく。それだけ、恐怖の対象であった。
「キース遅いぞ」
中央にいた男に向かって手を振った。
キースと呼ばれる男は金髪を立たせたツンツンの髪型に右目には眼帯を付け、左目は青い瞳をしていた。何処か人を見下している感じがする、そんな男である。
「お前の都合なんぞ、俺は知らない」
「少しは考える大人になろうか?」
「それで、こいつらが今日の成果だな」
「話しを無理矢理そっちに持っていく、ああ、そうだ」
キースは基本的にルイの話しを聞かない、と、言うより、興味が無いから、聞かない事にしていた。ルイもそれは分かっていたが、あえて言う事にしている。いつかは聞いてくれると願っている現われだった。
「何故、キース様がここに」
キースと呼ばれる死神はとても有名で、Sランクの最高幹部の死神だ。
勿論、それに合った実力も持っている、Cランクの死神達の顔色が悪くなったのは、そんな理由であった。
「そこの死神は俺が命令して、ここの掃除をした。俺はそのゴミを回収しに来た」
ゴミとはCランク死神達を指している。
「ではこの男はSランク」
「だから、さっきからそー言っているだろう。まっ、信じらんないのも無理は無いがな。それより、その後ろの3人は誰だ?」
「新しい部下だ。死神も人数が多いから、必要だと思ってな」
「へー。それじゃ、新しいSランク死神つー事か、って、Sランクが生まれたって事は」
ルイは驚いた。
「ああ、カナミ様が目覚めた」
「そうか」
ルイは安心していた。
「ああ、それより、自己紹介しろ」
「はい。私はアキラです」
紳士風の男が一礼をして挨拶する。
「僕はセイ」
リズミカルに挨拶した。
「オレはケンだ!」
最後は元気よく挨拶をする。
3人とも、白いタキシードとマントを付けていた。
「俺はルイだ。ふうん悪く無いな」
「当たり前だ。俺の部下だぞ」
「ああ、そうだな。俺のSランクとしての始めての後輩でもあるしな」
ルイはタバコを消して立ち上がった。
「んじゃあ、俺も帰るわ。こっちも新人がいて明日もあいつイジリたいからな。後は任せるよ」
「分かった」
ルイはキースの肩を叩き、歩き去った。
「なあ、あのルイとか言う野郎の出鼻くじいてやろうぜ」
ケンがセイとアキラに提案していた。
勿論、2人に特にキースに聞こえないように小言で話す。
「あの野郎。ちょっと長く死神やっているだけで、キースさんと親しいから癪に障るんだ」
「確かに、最強の剣を持つキースさんに馴れ馴れしいが、それでも相手はずっとSランクにいる男だぞ。大丈夫か?」
アキラがケンに聞く。
「怖じ気づいたのか? オレたちもSランクだぞ。しかも3人を相手に勝てる訳無いだろう」
「ルイは最強の盾を持つ死神と言う訳じゃないもんな。面白そうだ。僕は乗ったぞ」
セイはノリノリに言った。
「アキラは?」
「仕方ない。私達は3人で1つだ。付き合うぞ」
「やりぃ」
ケンは指をパチンと鳴らした。
その会話中ルイが3人の横を通った。
ルイは聞いていない振りをして、3人の前を通り過ぎると、子供のように微笑みその場から飛び去った。
「ケン。何か面白い事でもあったか?」
指を鳴らした音は、勿論キースに聞こえる。
「いえ、仕事頑張ろうと思っただけです」
「そうか、気合いを入れていたか、それはいい事だ。さあ、始めようか」
キースはそれ以上の詮索はしなかった。
何か企んでいても、キース自身に火の粉が降りかからない限り、必要以上の詮索をしないのが、新人に対するキースの教育方針であった。
「はーい」
3人は元気よく挨拶していた。




