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冒頭
あれからどれだけ経っただろう。
わからない、わからない、わからない。
自分の存在が本当にあるのか、無いのか。
わからない、わからない、わからない。
地に足が着いていない感覚、宙に浮いて上下左右が無い感覚。
誰も助けてくれない、僕はきっと一人ぼっち。
そんなこと、わかっている。
わからないけど、それだけはわかっている。
だって僕はブラックホールを持っているから。
僕の世界を飲み込むブラックホール、それが僕をこの世から引き離していく。
これが夢だったら、きっと幸せで、きっと僕はみんなと同じに生きていけたのに。