「あなたが犯人ですね?」「違う、私じゃない!」
ケース1 ~ホラー~
「あなたが犯人ですね?」
「違う! 私じゃない信じてくれ! どうして信じてくれないんだ!」
「見てたんですよ、あなたが私の目の前で人を殺すところを……そう、私を殺したあなたを……」
ケース2 ~叙述トリック~
「あなたが犯人ですね?」
「違う! 私じゃない信じてくれ! どうして信じてくれないんだ!」
「あなたが犯人であることは間違いありませんよ?」
「私じゃない、私じゃないんだよ……母さん」
そうして私は母が居る刑務所を後にした。
ケース3 ~ミステリー~
「あなたが犯人ですね?」
「違う! 私じゃない信じてくれ! どうして信じてくれないんだ!」
「だって証拠はすべて出揃っているんですもの」
「でもそのすべての証拠とやらを集めたのは君一人なんだろう?」
「…………」
「君が犯人だ。……そうなんだろう?」
「……いいえ、あなたが犯人です。あなたはここで――」
一人の少女を囲むように記者たちは集う。
「見事事件解決ですね、探偵さん!」
「そうですわね。……でも残念で仕方ありませんわ。まさか――」
「――自殺してしまうなんて」