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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

聖女たちに囲われた転生少年は、誰も裁かない

作者:CynthiaLam
最新エピソード掲載日:2026/02/10
日本で何も救えないまま人生を終えた青年は、異世界で一人の少年として転生する。
だがそれは“選ばれた転生”ではなく、世界を修正するために送り込まれる存在としての転生だった。

宗教国家の森で衰弱して倒れていた少年リヒトを救ったのは、
世界の象徴であり救済の象徴でもある“聖女”セラフィナ。

だが彼女は救う側の存在ではなく、
制度と役割に押し潰され、壊れかけた一人の人間だった。

聖女に囲われるように神殿で生きることになったリヒトは、
やがてこの世界の歪みに気づいていく。

この世界では、
救済、裁き、浄化、粛清、選別が「正義」として制度化され、
宗教と権力によって人間の命が管理されていた。

リヒトの持つ力はただ一つ。

裁かないこと。
否定しないこと。
切り捨てないこと。

本来なら世界に消される存在を、
“存在していい”と強制的に許可する力。

彼は聖女、騎士団長、魔女、王族、神官――
罪と後悔と絶望を抱えた者たちを裁かず、否定せず、赦し続ける。

しかしリヒト自身は知っている。

自分はこの世界に永続的に存在する者ではないことを。
修正が終われば、必ず死に、また別の世界へ転生する存在であることを。

これは、
何度も死に、何度も生まれ変わりながら、
誰も裁かず、誰も否定せず、
赦し続ける少年の物語。

そして最後に彼は選ぶ。

力を失う代わりに、
世界を修正し続ける仕組みそのものを終わらせることを。

救済の名を持つ世界で、
裁きも選別も管理も存在しない、
“人間の世界”を生み出すために。
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