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クラス一の美少女は主人公が嫌いで、ハーレムラブコメ被害者の俺と友達になりたがっている  作者: リーズン


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1/3

1話 ラブコメなんてクソだ

予約投稿したつもりが失敗して投稿してしまった。

クリックしてくださった方ありがとうございます。


この物語は――

「ラブコメなんてクソだ」と思っている男が、

校内一の美少女から“友達になってください”と言われる話です。

主人公はラブコメの中心人物に人生を荒らされた、いわば“被害者枠”の脇役と言われている人間です。

そんな彼が本来なら主人公の隣にいるはずの少女と関わることで、少しずつ日常が変わって来ます。

王道ラブコメが好きな方も、「またハーレムかよ……」とうんざりしている方も、

ぜひ気軽に読んでいただけると嬉しいです。

 ラブコメなんてクソだ。


 架空の物語として読む分には好きだ。

 だが現実で、それも脇役として巻き込まれるなら話は別だ。


 俺はこの物語に登場するはずのない、ただの脇役だった。



 ──校内一の美少女が、なぜか俺と友達になろうとするまでは。



 いつもと変わらない朝、高校に入ってすぐに始った一人暮らしにもようやく慣れてきた俺は、最近サボっていた朝の日課を終え、朝食を作る。


 はぁ、最初はどうなる事かと思ったけど、人間慣れればなんとかなるもんだなぁ。


 時間に余裕を持って家を出た俺はゆったりと学校への道を歩く。


 学校までの距離は二十分ほど、朝の散歩だと思えばこの距離もさほど苦ではない。


 今日もまた見たくもないものを見なければいけないので、心構えをするにはいい感じの時間だろう。


「やあ、おはよう!」


「あっ、どうも、おはようございます」


 などととりとめもない事を考えながら歩いていると、いつの間にか学校に着いていたようだ。


「もー、遊のエッチ」


「いやいや、俺は何もしてないぞ!」


「えー遊木、今確実に結由に鼻の下伸ばしてたよね?」


「い、いや、そんな事は……」


 はぁ、飽きもせずやってるな。


 教室の前、その扉の奥から聞こえてくるのはいつもの喧騒───と言うには少々艶めいた声。


 その声に辟易しながら扉を開けると、そこには一人の男子を取り囲む女子の群れが居る。


 男子の名は小鳥遊遊木(たかなしゆうき)、名前に遊という字が二つも入っているのに相応しい、顔良し、成績良し、運動神経良し。

 そして致命的なまでに鈍感と言う、鈍感系ハーレムクソ野郎と呼ばれる人間だ。


 小鳥遊の膝の上に座りながら甘えた声を出す、同級生にしては小柄な小動物のような栗毛の少女、小山結由(こやまゆゆ)


 小鳥遊の頬を突きながらからい、腕にしがみつきながら胸を押し当てる茶色い髪をサイドテールにした活発な少女、天城奈々(あまぎなな)


 あからさまな好意を向ける美少女二人。


「ククッ。相変わらずのモテモテ具合いだな遊木」


「お前までそんな事言うなよ。蒼太」


 小鳥遊をからかうのは山羊蒼太(やぎそうた)。ほぼ唯一と言っていい小鳥遊の男友達。


 山羊は小鳥遊の親友だと言い張り、小鳥遊本人も認めている。


「お、お前らからも何か言ってやってくれよ。俺は鼻の下なんか伸ばしてないよな?」


「いや、普通に伸ばしてたでしょ」


「めっちゃ伸ばしてたね」


「ぐはっ、お前らまで……」


 小鳥遊は同じくヒロインとでも言うべき、ハーレムメンバーの幼馴染達にも同意を求めたがバッサリと切られたようだ。


「くっ、真白はわかってくれるよな!」


「……ん」


 周りを取り巻く女子達から責められた小鳥遊が、最後に頼ったのはすぐ近くの席で眠る幼馴染最後の一人、蒼月真白(あおつきましろ)だ。


 北欧系の血が入っていると噂の、顔に掛かったアイスシルバーの光沢のあるさらさら髪、透けるような乳白色の肌、美しいトパーズの瞳に整った顔立ちは作り物と言われても納得するような美貌。


 小鳥遊の周りの人間は美少女と言っても過言ではないが、その全員を持ってしても敵わない群を抜いたその容姿で、校内ナンバー1の美少女と言われる小鳥遊の一番お気に入りで付き合っていると噂まである少女。


「……知らない」


 だが、蒼月さんは小鳥遊の言葉に一言返すとまた眠りにつく。


 小鳥遊曰く、蒼月さんは男子が苦手らしい。


 蒼月さんが楽しそうに話しているのを何度か見た事があるが、それは幼馴染の二人と話している時だけだ。


 ちなみにクラスのほかの女子は小山達ほど積極的ではないが、小鳥遊に好意を持っている為、一番のお気に入りとわかっている蒼月さんと仲が良い人間は居ない。


「ふう、真白はしょうがないなぁ」


 冷たくあしらわれた小鳥遊だが、それでも幸せそうな顔で蒼月さんの事を見詰める。


 そんな小鳥遊をムッとした顔で見詰める小山達。


 その様子を見守りながらチラチラと小鳥遊を気にして、隙あらば絡もうとする女子に、小鳥遊の独壇場と化したクラスで空気に徹する男子。


 これがこのクラスの日常風景だ。


「おはよう天城。あっちは相変わらずだよ」


「ああ、高木。そうみたいだな。まあ、俺には関係ないけど」


 辟易しながら視線を送っていたことに気がついたのだろう。俺のことに気がついたクラスメイトの高木が話し掛けてくる。


「おっ、流石言う事が違うな。ハーレムラブコメ被害者会長は」


「あだ名が長い上にしつこい。いい加減それ止めてくれないか?」


「まっ、そう言うなよ。事実、俺達の中でもっもと直接的な被害を受けた被害者はお前なんだから。お前こそ会長に相応しいだろ?」


「相応しいだろ。ってそんなん言われて確かにそうだな。なんて納得すると思うか?」


「思わない」


「……なら止めろよ」


 そう言った俺に笑いながら背を向けた高木。


 どうやらこのあだ名をまだまだ止める気はないらしい。



 ハーレムラブコメ被害者会長。



 この不名誉極まりないあだ名は俺、天城理人(あまぎりひと)に付けられたものだ。


 その理由は単純。


 天城奈々は俺の義妹、小山結由は俺の幼馴染だからだ。


 高校入学までこの二人は俺とまあまあ和やかに話す程の関係性があった。


 しかし高校入学初日、小鳥遊遊木に一目惚れした二人は俺との関係を一切切り捨て、小鳥遊遊木のハーレムメンバーとなった。


 そして俺が一人暮らしをするキッカケとなったのもこれが原因だったりする。


 そんな訳で、中学時代の俺達の関係を知っている人間から、徐々に噂が漏れ、俺一人にこんな不名誉なあだ名が付いてしまったのだ。


 ぶっちゃけ幼馴染と義妹が関わってようが、あの青春ラブコメ劇団に関わる気はサラサラないので、本気で勘弁して欲しい。


 はぁ、早く学校終わらねぇかなぁ。


 登校そうそうそんな事を思いながら席に着いた俺は、

 ふと、視線を感じて顔を上げた。


 ……蒼月真白だった。


 校内一の美少女。


 小鳥遊遊木の隣にいるはずの本命ヒロイン。


 小鳥遊の質問を適当にあしらい眠ったはずの蒼月さんがなぜかこちらを見つめている。


 目が合ったと思った瞬間、彼女は慌てたよう表情で視線を戻す。


 いつも感情を出さない蒼月さんに少しだけ違和感を覚えたが、またも懲りずに話し掛ける小鳥遊。


 その姿はいつも通り俺の知る無感情なもの。


 だが、その横顔が───何故かいつもと違い、ほんの一瞬だけ、歪んだように見えた。


 笑ってもいない。


 眠そうでもない。


 ただ、不快感を表すような顔。


「……そんなわけないか」


 そう呟いた俺は何故かその一瞬の姿がずっと頭にこびりついていた。


 だが、俺は後にこの表情の意味を知る。


 そして彼女の───「私と……友達になってください!」と言う台詞。


 この一言で俺と彼女は深く関わっていく事になる。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


この時点では、

・主人公はただの脇役

・蒼月真白は“校内一の美少女”

・二人が関わる理由は存在しない

はずです。

ですが、ここが、この物語の始まりです。

これから先、

なぜ彼女が主人公を見るのか。

なぜ“友達”なのか。

そして主人公と彼女の関係はどうなるのか?


更新ペースは一番最初とりあえず3話まで投稿、2話、3話は21時予定。その後は無理のない範囲で毎週金曜日21時くらいに投稿を続けていく予定ですので、少しでも気になった方は、ブックマーク・評価で応援してもらえると励みになります。

次回もよろしくお願いします!

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