イケメンに出会ってしまった
眩しい....
....ん?なんか床がかたい…
目を開けると目の前には見たことも無い景色が広がっていた。蛍のようなものがたくさん光り輝いていて、周りには綺麗な花が咲き乱れている。どうなっているのか訳が分からない。重い体を起こして辺りを観察する。夢の中にいるみたいに不思議な光景だ。
....いや、夢か。明らかに夢だ。異世界転生系の漫画の景色とほぼ同じだわ。漫画の読みすぎで夢にまで出てくるとは....末期だわ。
しばらくぼーっとしてからようやく立ち上がり行動を起こす気になった。
夢なんだしなんかできるかな。楽しいことしたいよな..
そう思いながら辺りを散策しているとどこかからガサゴソと音がした。
..何かいる..。音がした方に目を向ける。すると突然何かが目の前に飛び込んできて思わず倒れた。
「な..何!?」
飛び込んできたのは犬のような狐のような動物だった。
茶色の毛がもふもふしていて、三角の耳がぴょこぴょこ動いている。顔は犬だけど、耳とかしっぽとかは狐....。
そして、私の膝の上でお利口にお座りをしている..。
なんかわかんないけど..かわいい!!
微笑むとその動物?も嬉しそうに「キャウン!」と吠えた。
「大丈夫!?」突然後ろから若い男性の声がした。
振り返ると背の高い冒険者のような格好をした人がたっていた。そして顔が...カッコイイ!!イケメン!眩しい!
「あ、えっと..大丈夫..です」
(ここでも私のコミュ障が..。)
目を合わせられないでいると彼が手を差し出してくれた。
「捕まって」
「ありがとうございます...」
(こんなイケメンに手を差し伸べられるとかどんなシチュエーション!?心臓が苦しいくらいに興奮状態なんだけど!!)
そんなことを思いつつもこの感情を顔に出さないことを
習得している私は普通に手を掴んだ。
思った以上にグイッと引き上げられフラつくと彼が腕で
キャッチしてくれた。
「あ..すみません。」
(ヤバイヤバイ実質抱きしめられてるうぅ)
「勢い良すぎたかな?ごめんね」
彼がいい顔で苦笑いする。
(どんな表情でもカッコイイんだなあ...)
見惚れてると彼が急に表情を変えた。
「君、熱あるんじゃない!?体すごく熱いよ!」
「い..いえ..確かにすごく暑いですけど...」
(これはドキドキして興奮しすぎて暑くなってるだけで..)
「絶対熱があるよ!ほら!!」
そう言って彼がおでこを近づけようとした瞬間
(嘘でしょ嘘でしょ嘘でしょ!顔近いって!)
私は心臓の音が高鳴ると同時に興奮しすぎて意識を失った。