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ちょっと世界の話をしようか【前編】

ちょっとした、世界の考察の話(勇者&魔王編)

この話は、ちょっと考えついたことをメモしただけです

普通の作品とは全く別の見解ですので、他の物語への論理凸はおやめください


では、開始します


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魔王から見た世界

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「主人公である勇者はある日、仲間たちと魔王を倒す戦いの旅に出発します

 人々を害する魔王軍の猛攻や罠を退け、行く先々で人々を救い続けた彼らは

 ついに魔王城に到達

 圧倒的な力を持つ魔王とその幹部を倒し、世界に平和を取り戻しました

 人々を救った勇者の武器は伝説の武具として伝えられ

 その功績は人々の間で未来永劫語り継がれることでしょう

 めでたしめでたし」


というものが、魔王と勇者の物語としてスタンダードだと思います


ですが、数々の物語を見ているうちに、いくつかの違和感が見つかってきたと思います

それら1つ1つを吟味した結果、整合性を持つ結論が出たので、ここに書いておこうと思って筆をとりました


結論から言いますと

「各RPGの舞台となる世界の人類は全て、もともと魔王より強かった」ということです


順を追って説明していきます


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1.「300年前の戦いで魔王は勇者の手によって封印され、世界は平和になりました」


違和感の始まりはここです

魔王1人の活動を縛ったところで、他の生物たちが活動を停止する理由にはなりません

むしろ、統制を失って自由に弱者を攻撃し始めるので、場合によっては人間の文明に多大な被害が出ます


もし仮に勇者が世界を周って各地を守るとしても、全体を永遠に守り続けられる保証はありません

人間が自らの手で街を守る必要が出てくるのです


その際、勇者たちの使った武器を量産するとした場合、それを扱える人間が必要です

つまり、この世界の人間は「勇者パーティーと同じ武器を扱うことができるほど頑強」なのです

なぜなら「店で売っている武器を勇者たちと同じように使いこなせないと生き残れない」からです


また、勇者は魔王軍の中枢に向かうときに多数の強大な魔物と戦い突破すると思いますが、それができたのは優位性のある「攻撃側」であり、戦略的にも少数精鋭で勝てる可能性があったためです


ですが街の防衛は「防御側」という不利な状況での戦いです

また、少数精鋭の攻撃と比べ物にならない数の人数が防衛には必要です


勇者個人が突出して強いだけでは守りは成立しません

数で戦う必要があるため、多数の人々の力が必要なのです


その人々が弱ければ、魔王がいてもいなくても人間はとっくに滅んでいたことでしょう


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2.「伝説の武具の存在」がもたらすもの


職人は強い力を持つ武器防具を見ると、その機構を解析して増産しようと研究する癖があります

仮にそれが勇者しか使えない伝説の武具だとしても、命に関わる事であれば即座に必死に解析し、同等の火力を持つ機構を完成させることでしょう


なぜなら「存在しているのだから作れないわけがない」と考えるからです


各地の統治者も、そのような有名な品があれば何としても手に入れようとすることでしょう


つまり、勇者の武器防具は彼らの知らない場所で情報共有が進行し、量産型だが強力な武器防具が人々の間で普及していくことによって、伝説の武器の火力を勇者以外が扱えるようになっていくのです


そもそもミッシングリンク級の力を持つ兵器を、魔王討伐だけのために使うわけがないのです


300年前の戦いの後に武具を古い洞窟に封印する前に、徹底的な解析は行われていたはずでしょう

いつか魔王が復活するとわかっているなら、なおさら何の対策もしない方が問題です


結果、人間側の持つ技術力は伝説の武具の解析によってミッシングリンク級に向上しているはずです


各地の店で伝説の武具に近いステータスの武器が手に入る理由もこれだと考えられます

そのような店が存続しているというのも、技術力の維持と需要があることを証明しています


つまり、店で売っている強力な武具を、そこに住む普通の人々が扱えるという証拠でもあります


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3.「勇者のパーティーが編成可能であるという事実」


勇者の手によって魔王が倒されたのですが、逆説に考えれば、魔王に「とどめを刺したと認定された人間が勇者扱いされているだけかもしれない」という結論に達しました


つまり、パーティーに加わっていたほかの人間にも「勇者になる可能性があった」という事です


なので、魔王討伐隊の中では「誰が魔王にとどめを刺すか」で骨肉の争いを行っていた可能性があり、そんな人間たちの姿を見て魔王は人間に嫌悪感を持ったのかもしれないと推測できます


有名になり名誉を手に入れるために、自分へ最後の一撃を加える権利を争ってくる連中が勇者パーティーだと規定すれば、もともと各人間には魔王を倒せるだけの頑健さと強さがあったのだと考えます


また、魔王を倒す勇者パーティーは、1つだけだったという証拠もありません


「勇者になろうキャンペーン」で複数の勇者パーティーが編成されていた可能性があると考えます


逆に魔王が1人だったという考えも絶対ではなく、複数のパーティーが先を争うように「魔王認定された人を討伐に向かう」という、勇者候補同士の骨肉の争いがあったのかもしれません


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4.「魔王から見た世界」


そんな理由で自分を〇そうと狙ってくる、自分よりはるかに強い種族からどうやって身を護るかを考えた結果が魔王の生存戦略であり、人間から見た「魔王軍の進撃」だったと思われます


もっとも、進撃と言っても魔王の方から積極的に打って出ることはほとんどありません


その理由について具体的見ていくことにします


魔王はいつも人里から離れた場所に城を建ててます。が、もし軍を運用するつもりなら前線を押し上げるために補給用の拠点を占領した各地に用意する必要がありますし、それ以前に生物である以上兵糧が必要なので、支配や侵略を目的としているなら生産流通の悪い場所に本拠点を築くわけはありません


もしそんな通行の便が悪い場所に最大の拠点を建てる場合、目的は2つ


1.隠れて身を護るため

2.その場所から動けない何かの理由がある


1は上記の通り「人間側が強すぎて命を狙われているから身を護るために建てた」とするなら、「人間側が圧倒的に強い」という推測がうまくつながります


2についてはもう少し後で語りましょう


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5.「魔王軍の拠点が近いほど強力な魔物が配備されている理由」


上の4を兼ねるのが、魔王の拠点周辺になるほど強力な魔物が配備されているという事実ですが、もし勇者自身を狙うだけで「魔王を倒す伝説が阻止できる」なら、飛行能力を持った強力な魔物を最初から勇者に差し向けて、都市ごと焼き払う戦略が一番有効です


ですが、魔王軍はその戦略をことごとく失敗することが多く、しかも有効だとわかっていながら複数回にわたって行うような真似をあまりしません

その理由もまた「人間が強いから」という理論に到達します


数回の不意打ち的な攻撃は警告の意味を成しますが、何度も彼らの信奉する勇者を攻撃することで周囲の人々の分まで余計なヘイト稼ぐ行為は、命を狙われている身としてはあまりいい方法ではありません


また、上記で言った通り「勇者パーティーが複数出てくる可能性がある」ほど人間が強いなら、各地を見張り続けるのも一苦労ですし、魔王軍として使う強いクリーチャーをいたずらに消耗するくらいなら防衛にあて長い道のりを越えてくる勇者を各個撃破した方が、魔王側の運用としては正解でしょう


そもそも、最初の町の周辺にだけ弱いモンスターだけが出るというのはおかしな話です


普段は世界中が(この世界の人間から見て)弱いモンスターで満たされていて、やばい奴が出たという情報が確認されれば強い奴を差し向けて襲った方が、魔王にとって効率よく勇者になりそうな人間を駆逐できるのではないかと思われます


魔王軍がこんな後手に回る戦略を取らされるのも、この世界の人間が強いと考えれば納得がいきます


下手に刺激して全体に襲われるより、こちらに攻撃してくる奴だけを待ち構えて撃破する方が魔王軍の消耗も少なく、消耗が少ないほど命を守るための魔物を温存できるのです


もし人間の方が魔物より弱ければ、野良の魔物だけで勝手に人間を滅ぼせるのですから

こんな回りくどい対策や強い魔物を集める必要などする必要はありません


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後半に続く

つづきます

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