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5.カフェにて 回想と出会い

カフェに行くことにしたタナカくん。やっと休日らしくなってきた…?


 カフェに行くことにしたタナカは成り行きで手にもっていた車輪ステッキには家に戻ってもらい、手ぶらですぐに入れそうなカフェを探した。

すると良い感じにレトロで穴場っぽいお店を見つけて入ることに決めた。


 カランカラン カラン…


ドアを開けると紅茶色の世界が広がり、落ち着いた雰囲気である。2階に上がる。角のイスに陣取り、トーストとスープとサラダを注文して、すぐに出てきたカフェオレを一口飲むと疲れがじんわりと癒された。


座っている席は、店内が一目で見渡すことができ、入っていた客がどんな客か見える位置である。ふと視線を横に移すと窓があり、そこから外が見える。ほうきに乗った女性やらマントを羽織った男性が飛び交い、窓を横切っていく。中には翼を持った人型の何かも飛んでいる。


「天使??!え、悪魔?!!

 ていうか、今さっきのマントマンってスーパーマンか?!!!」

この世界はどうにもこうにもファンタジーである。



 実はタナカ、長旅からこの国、シンシンにたどり着いたといったが、この世界の人間ではない。それは、花屋のエリーも言っていた。


 しかし、この世界自体は別の世界から来る異世界人を多く許容しており、住人も慣れていたりする。だから、第四の国へ行けば、職に困ることもない。タナカはある時、うっかりこの世界に紛れ込んでしまい困っていたら、知らないおじさんに


「シンシンの第四の国に行け」


と言われた。懇切丁寧に地図と行き方のメモまでくれた。しかも、自然と読み書き、聞き取りと話すことはできたので助かった。そして、この国にたどり着くまで3ヶ月。長かった。


 元々は、タナカは社会人1年目で何とか慣れない仕事に順応しようと日々奮闘していた頃である。

毎日精神をすり減らしながら疲れが取れないままで、今思えば、あの時体調を崩していた。


 その日の朝、いつも通り会社に行こうと満員電車に乗った。

そしたら、あまりにも人がぎゅうぎゅう詰めで酸欠状態になったタナカは

元々体調が悪かったのもあり、不覚にもそのまま気を失ってしまった。


 気づいた時には、町の広場みたいな所に座り込んでいたのである。スーツ姿で。

タナカが自分の腕時計を見ると、もう出社時間の9時を過ぎていた。やばい。

しかし、携帯は圏外で連絡がとれない。


 タナカはその瞬間、色々あきらめた。

まぁ、タナカを心配したタナカの友達が言っていた。

「言う程、居なくなっても困らないから大丈夫だよ」

そんな訳で自分のポジションもきっと代わりはいるし、

いなければ会社側で新たに探し出すだろう。


 ただ、自分の職がなくなるだけである。



 かくして、この世界に来てまだ右も左もわからないながら、

時間はかかったが、職を見つけられてよかったとタナカはうなずいた。

( ひとまず、衣食住には困らないし )

少しだけであるが、給料も出るので、自由と言えば自由だ。


いったいこの世界、どうすれば戻れるのか?戻れないかもしれない…。

と、タナカがぼんやり考えていると、突然、声をかけられた。窓の外から。


「やぁ、君、君が飲んでいる飲み物は何かな?チョコチーノ??」


見ると、マントをはためかせながらチャラいお兄さんがタナカを見ていた。飛んでる。


「チョコに見えます?カフェオレです」

びびりながらも、タナカは冷静に答えた。

「もし良ければ、相席できるかな?(席空いてなかった)」

「あー、…ハイ。」


こうして、マントのチャラ男が相席することになった。



タナカは気が付いたら異世界に来ていて、しかもここにくるまでにも3ヶ月かかっています。が、この国は初めてでまだ慣れていません。実は、色んな別世界のスーパーマンやら天使やら悪魔やら魔女が異世界転移してて一堂に会しているのがこの国です。誰が元からいて、誰が別世界から来たのかわからない程度に綺麗に混ざっていますが、この世界の訪問者への対応は第四の国があるので完ぺきです。


ついに出ました、スーパーマンの彼が友達候補です。

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