表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

prologue~ーーーーーな世界で生きている~

頑張るぞー!

カタッカタカタタン

モニターの薄い光を反射しながら顔を伝って汗が流れ落ちる。指は休むことなくキーボードを叩き、画面上のキャラクターを細かく動かす。

カタカタタンタタカタッタン・・・

休み無く続いていたキーボードの音はやみ、その変わり軽快なメロディーが暗い部屋に響く。モニター上にはWINの文字。しばらくすると画面が切り替わり、エンディングが流れだす。

「はぁぁ・・・」

このゲームはキーボード全面を使い、細かくキャラクターを操作するゲームだ。だがその異常なまでの難しさ故に、クソゲー。そう呼ばれた。

『完全制覇、おめでとうございます。マスター。』

「ああ。」

部屋中に搭載されたスピーカーのうち一つから機械的な声が放たれる。それに短く返事を返し、少年は大きく伸びをした。

「1ヶ月かかったなぁ、全クリ。」

クソ鬼畜ゲーの名は伊達じゃなかったか。

「ふぅ・・・終わったなぁ。・・・・・・・また、新しい暇潰し探すか。」

『学校はどうされます?』

「行くわけないだろ?」

『そうでしょうね。』

クスクスと笑うスピーカーの声。それに合わせて少年もクククと笑う。

「これがクソゲー?笑わせるなよ・・・・この社会、この世界、それこそがクソゲーだ。」

他人の顔色ばかり伺って、したいこともろくにできない、息もしにくいそんな世界。


ああ、なんてくだらない世界だろう。



俺はくだらない世界で生きている。






無責任で嘘つきな世界だ。


ブンッブンッ

「152・・・153・・・・」

朝日が道場の中に差し込む。その中心で少女は木刀を使い素振りをしていた。切れ長の目、整った精悍な顔立ちは女より男を思わせる。

「200・・・・ふぅ・・・」

少女はため息をつくと、タオルで汗を拭きベンチに座る。

「お疲れ様、姉さん。」

道場の扉を開け、現れた少年は冷たく冷やしたペットボトルを少女の横に置き、微笑む。その少年を視界に捉えると、少女はうっすらと笑みを浮かべる。

「ああ、すまない。」

「ううん、無理しないでね。」

独特なハスキーボイスと男のような口調。自分でも男のようだと思う。だがそう話せと言われ、育ったのだ。仕方がない。病弱な弟に変わり、強くなれと父に教えられた。自分の為だと。

「何がの為だ。」

自分の名誉の為ではないか。

深いため息が道場に響く。その様子を見た少年は姉に言った。

「お風呂、沸いてるよ。入ってきなよ、姉さん。」

「そうか、ありがとう。」

父は、俺達を残して逝った。無責任に、親としての務めは果たさずに。


ああ、あの時から思うのか。

この世界は無責任で嘘つきだと。






理不尽だ。


日の光の差し込まない路地裏で青年は目を開けた。周りには巨体の男と幼い少女が寄り添って寝ている。

「オイ、起きろ。」

巨体の男の肩を揺すり、青年は声をかける。呻き声を上げて、男は少女を起こさないようにゆっくりと起き上がった。

「相変わらずデカいなぁおい。」

「・・・・」

男は何も答えず少女を抱き上げ、組んだ足の上に乗せる。少女は少し眉をひそめるが、しばらくすると再び規則正しい寝息をたて始めた。幼いその顔を見つめながら小さく微笑む。

この世界は理不尽だ。どうしようもないほどに。此処にいる奴等は皆、大人達の勝手な理由で幼い頃から路地裏で過ごしてきた者達。理不尽にも、そういう親の子として生まれた。

青年の前の男は親に捨てられた。親にとって要らない子供だったからだ。少女も同じ、生まれてすぐ捨てられ、親の顔も知らない。

「・・・・理不尽だよなぁ・・・・」

少女の頭を撫で、青年は呟く。すると少女は小さく目を開けた。

「・・・・む・・・兄に?」

「おはよ。」

苦笑しながら青年は少女を抱き上げる。男は少し不機嫌そうな顔をしたが、すぐに無表情に戻る。


理不尽な世界で俺達は生かされている。


「いつか見返してやるさ・・・・」

絶対にな。







「・・・・つまらない。」

少女がぼそりと呟く。

「なんだ、唐突に・・・。」

壁にもたれかかり書物を読んでいた青年が顔を上げ、問いかける。男は濃い紅色の髪を揺らしながら少女のそばへ近寄り、腕を組む。

「つまらないのだ、わからんか。」

「わかるか。」

大きくため息をつき、少女は立ち上がり、障子を開け放ち縁側に座り込む。そして、自らの髪を弄びながら近寄ってきた青年を見上げ、またため息をつく。

「おい、何故俺を見てため息をつく。」

少女は着物の裾を引く物の怪に目をやって、それを抱き上げながら言う。

「最近は人が妖怪を操っていたり、勝手に亡霊の力を使って取り憑かれて、人を傷つけないように戦わないといけなかったり・・・同じような奴等とばかり戦っているんだぞ。つまらない。」

「・・・・確かにそうだが・・・」

「つまらん。」

我が儘か、とでもいいたげな青年の目。

「・・・・行くぞ。」

「どこに?」

少女は青年を見つめ、今日一番のため息をついた。そしてつかつかと歩み寄り、デコピンをする。

「お前は馬鹿か。見回りだ、見回り!サッサと支度をしろ、騰蛇・・。」

全く、最近の若者は・・・馬鹿みたいな奴等ばかりだなぁ。

「はぁぁ・・・本当につまらない。」

何か変わった事でも起きないか。なんて思っても恐らく何も起きないだろうなぁ。



つまらない世界じだいだ。

どうでしょう、面白く書けているといいんですが・・・

続きも宜しくお願いします。(●´ω`●)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ