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01 プロローグ
彼女は暗闇の中で目覚めた。
周りは全くの闇だ。
彼女は思った。
ここはどこなのだろう……。私は誰なのだろう……。
「目覚めたようだね……」
誰……。
声は近づいてきた。
私は身体を動かそうとした。
……しかし全く身体を動かせない。
どうやら何か固いものの上で縛られてるようだ。
「……君にはもう少し寝ててもらわないと困る……今から手術を行うのでな」
……手術?
「それが成功すれば君は生まれ変わるだろう。そして世界は君の前にひれ伏すだろう」
何を言って……。
「それで手術を執り行う」
私はその言葉を聞くと同時にまた意識を失った。
◇ ◇ ◇
しばらくして私は目覚めた。
辺りは真っ暗闇だ。
どうやらベットの上で寝ていたようだ。
「目覚めたかい?」
不意に暗闇から声がした。男の声だ。
「だ……誰……?」
私は少し震えていた。
「怯えなくていいよ……レイア」
レイア……それは私のことなのだろうか?
「私が君に付けた名前だよ……いい名前だろう」
暗闇から男の姿が浮き上がってきた。