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『ノルの大事な船』

北欧のノルウェーの


北東に


小さな港町が有りました。


海沿いには白い小船が


たくさん並んでいました。


海辺には蒼い屋根の家が


建ち並び、


沢山の漁師が暮らして居ました。


或漁師の家に、


ノルと云う男の子がいました。


ノルは


色白で元気な子でした。


ノルの先祖は


遠い遠い昔、


誇り高いバイキングだったのです。


ノルは毎日、


学校から帰ると


海辺に出かけては


海岸に打ち上げられた白い流木を拾って来ます。


何をするのかと云うと


ノルは


流木を拾っては


船を作って居たのです。


ノルの先祖


誇り高いバイキングの


乗って居た


海賊船でした。


ノルの船は、真ん中に帆柱の有るオールが


十六本付いた十八人乗りで


バイキングの立派な船でした。


ノルの家のガレージには


そんな船が


三十そうも有りました。


或る冬の寒い晩でした。


白い雪の降る日に、


ノルの家のドアを


コンコン、


と叩く音がしました。


「誰かね。」


ノルのお父さんが


言いました。


「ニクラウスと申します。」


「どちらのニクラウスさんですか。」


「はっはっは」


「…。」


「クリスマス島のニクラウスじゃ。」


「えっ」


「サンタさんだ…。」


「はっはっはっは。」


「クリスマスは未だ早いですが…。」


サンタはにこりと笑うと


「ノル君は居るかね。」


「はい、僕です。」


「じつは頼みが有るのだ。」


「頼みって。」


「君の大切な船を。」


「今年のクリスマスのプレゼントに


是非使いたいんだ。」


「えっ。」


「嫌かね。」


するとノルはにっこり笑うと、


「光栄です。僕の船がクリスマスの


プレゼントになるなんて。」


「歓んでくれるのかい。」


「勿論。」


外では未だ雪が降っています。


「…。」


「あれ、サンタさんは。」


もう、ドアの所には誰も居ませんでした。


それと


ガレージに飾られた


ノルの大事な船が


20そう程、


無くなっていました。


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