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刻まれた闇

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要石やらなんやらの騒動から、5日ほど経ったある日の事。とある噂が流れてきた。


「おい康太!聞いたか?あの噂!」


「噂~?なんの?」


「フッフッフッ、知りたいか?」


「別に」


イラッとしたので会話を切り上げる。


「そうだろう、そうだろう、ってえ?今何て?」


「いや別に興味無いからいいって言っただけだよ」


「そんな事言わないで聞いてくれよー」


「で、その噂って何なの?」


「なんだ、やっぱり気になるんだな」


「まあ、そんな風に言われればなぁ・・・気にはなるよ」


「あの日の事覚えてるか?」


「あの日っていつの日だよ」


「皆で山菜やらを採りに行った日だよ」


「ああ、お前がやらかした日か。それがどうかしたのか?」


「あの日毒キノコとか採っただろ?」


「そういやそうだったっけ」


「それに当たって大名が何人か死んだらしいんだよ」


うん、大事件だ。


「はあぁぁあ!?う、嘘だよな?」


「まあ、あくまで噂だけどな」


「心当たりしかないからいやだな~」


「それを言うな」


まあ、仮にお偉いさん方にあれのせいで死人が出ても確認しない方が悪いんだしね。僕らは関係ない。誰が何と言おうと関係ないのだ!そうだ僕は悪くない。


「まあ、ざまあみやがれ!って感じだけどな」


「勝もしかして楽しんでる?」


「ああ、凄くすっとした気分だぜ」


「報復が怖いよ」


「ばれることはないだろうし大丈夫だろ」


一応確認のため行商人に聞いてみる事にした。


「大名等に食あたりにで死んだ人が居たりしますか?」


「ああ、それなら此所から40里ほど午の方角に行った所にある町の大名の后がポックリ逝ったようですよ」


「な、なるほど・・・」


あれ?これって大名が直接死ぬより不味くない?下手したら攻めてくるよね?はぁ、気が重いなぁ。


「よし、勝凄く不味い状況だということがわかったよ」


「不味いって?」


「死んだのは后の方だ。つまり司令塔は健在という事。つまり兵と罪状さえ揃えれば何時でも攻めてこれるという事なんだ」


「そしたらどうなるんだ?」


「村が滅ぼされると思う」


「そうか、じゃあ戦うしかないな」


「戦術はあるのか?」


「無い!兎に角生き残るんだよ」


「訓練された兵士から生き残れる訳ないだろ」


「やってみなきゃわかんねぇ!」


「失敗したら次はないだろ」


「来世があるさ」


「はあ・・・もう知らん」


「まあ、なるようになるさ」


「なるようになったらダメなんだがな。そろそろ帰るな」


「お前いっつも帰るの早いよな」


「家が遠いからな」


「そういやお前の家何処なんだ?」


「そこの山を越えた先の山の中腹らへんにある家だよ」


「なるほど、分からん」


「そいうわけだからじゃあね~」


帰る途中で再びあの少女に会った。


「気を付けた方が良いわよ。嫌な予感がするわ」


「そう言う事を言うと本当に何か起こるからやめてくれません

か?」


「嫌な予感ほどよく当たるってね♪」


「ちょ、洒落にならない」


家に近づいていくと家の中から刀をぶつけ合う様な金属音が響いてきた。家の前には何匹か馬も停まっていた。


「まさか!もう気づかれたの!?幾らなんでも早すぎでしょ!」


「気づかれたって何が?もしかして妖刀の事?」


「はぁ!?妖刀!?そんなものまで揃ってんの!?何本!?」


「多分2、3本あると思う」


「よく今まで無事だったわね」


「そんな事より先ずわ敵を排除しないと」


僕らは話ながら家まで走った。僕は懐から鉈を取りだし巻いていた布をほどいた。隣の少女はというと右手が黒い影の様な何かに包まれていた。


「なにそれ?」


「その内分かるわ」


僕は家に入ると近くにいた男の首を刈り取った。床に落ちる前に首を受け止める。


「っとと」


少女の方を見てみると男の胸から腕が生えていた。・・・鎧着てたと思うけど・・・。


「え?それどうやってるの?」


「手に妖力を集めて指突をしただけよ」


うん?妖力?よし、理解出来ないから諦めよう。

未だに金属音のする奥の部屋へと急ぐ。襖を開けると二人の男と切り結んでいる母さんがいた。


「母さん!」


踏み込み、振り上げた鉈を全力で降り下ろす。男が咄嗟に構えた刀ごと頭を叩き割った。


「康太!?」


母さんの気が一瞬逸れた。それを見逃すほどその男は甘くなかった。


「死ねやぁ!」


「っしまっ」


母さんは咄嗟に体を逸らしたが刃は母さんの体に深々と突き刺さった。鮮血が飛び散る。僕は反射的に鉈を投げていた。しかし、鉈は刀によって軌道を逸らされた事と、兜に当たった事により死には到らなかったようだ。


「・・・っこの野郎調子にのりやがって、ぶっ殺してやる!」


「敵は一人じゃないわよ!」


いつの間にか天井の縁に登っていた少女が上から奇襲を掛け首に組み付き頭を床に叩き衝けた。ベギョ!骨の砕ける音が部屋に響いた。


「母さん!血が・・・」


「私はもう長くは持たないわ。康太、その子についていくのよ。

出来る事なら黙っていたかったのだけれど、こうなってしまったから話すわね、薄々気づいているかもしれないけど私達一族は人間ではないわ」


「人間じゃない?それって物の化って事?」


「物の化でもないわ、両方の血が流れているの。何の妖怪なのかは判らないけれど。でも、妖であるその子についていけばもしかしたら判るかもしれないの。もっともその子はもう気づいているでしょうけど」


「ええ、大体の目星は付いているわ」


「それと、あの妖刀は持って行きなさい。きっと・・・役に立つわ。

それと、人を簡単に信じないで・・・」


「・・常に疑う心を持ちなさい・・・半妖に味方は少ないから。・・・しっかり・・・・・・生きるのよ・・・・」


そう言い僕の頬を一撫でし、母さんは力尽きた。


「母さん!母さん!かあ・・・・さん・・・」


そして、僕の心の中にけして消えることの無い黒い感情が刻みこまれた。


『・・・・許さない・・・絶対に・・・一人も残さない・・・・』

なんかあらすじからかけ離れているような気がする・・・。

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