ドMなあいつ
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「あの・・・付き合ってください!」
高校二年の夏。
予想もしなかった突然の告白―・・・。
ド M な あ い つ
真夏の校庭のど真ん中。
顔を真っ赤にして言う男子一名。
それを聞いている口の開いた女子一名と
その友達。
「付き合って・・・もらえませんか??」
その言葉にあたし、森川 夏樹(Natsuki Morikawa)は
かなり動揺していた。
あたしは、地元ではかなり有名な
気の強く、口の悪い女。
そんな女に今まで告白してきた奴なんて・・・
一人もいなかった。
だから―・・・
この状況は動揺せざるをえなかった。
「・・あんた、何て名前!?何年生よ??」
周りの生徒もかなり驚いている。
二年でこんな奴見たことなかった。
その時、横から心友の宇川 幸(Sachi Ugawa)が
焦りながら言った。
「夏樹!知らないの!?この子、一年の中でも
一番かっこいいサッカー部の男の子だよ!?」
知らない。
なんてったってあたしは
男なんて興味がないから。
男もあたしに興味なんて更々ないし。
でも―・・・
そんな男が何であたしなんかを・・・??
そう思った瞬間、
その男が口を開いた。
「俺、一年二組の橋崎 蓮(Ren Hashizaki)です。
サッカー部です!ずっと好きでした!付き合ってください!!」
・・なんで好きなのかは明かさないのか。
さっきからずっと
『付き合ってください』としか言わないし。
こういう中途半端な奴嫌だな・・・。
でもこれを逃したら一生付き合ったりなんて
できないかもだし・・・。
そんなあたしを見て何を思ったのか
幸が喋り始めた。