プロローグ~ユーマ20歳の冬~
「終わりのない剣と魔法の世界ルインザム」初めてその話が出たのは大学2年の冬、俺の所属する部活「異世界研究部」でのことだった。
いつも通り部長の俺と同級生で副部長の立花凛しかいない部室。今日も凛は可愛い。これがファンタジーの話になると豹変するんだもんな。人は見かけによらない。
年末も近いので俺たちは他愛もない話をしながら掃除に勤しんでいた。
「ねぇユーマ、ルインザムって知ってる?」
ユーマとは俺のことだ。陣在悠馬、これが俺の名前である。苗字が呼びづらいので
みんな俺のことをユーマと呼ぶ。
「何だそれ、映画?小説?」
異世界研究部の部員はみなファンタジー好きである、といっても実質俺と凛しかいないが。
「ううん、どっちでもないの。たぶんゲームだと思う。」
ファンタジー好きといっても得意分野がある。俺が映画、凛が小説だ。ゲームは2人とも専門外ってわけだ。多少はやるけど。F○なんか大好物だけど。Ⅹこそ名作異論は認める。
「ゲームか……悪い、知らないな。」
「そっかー。昨日ね、掲示板で話題に上がってたんだけどすっごく面白そうなの!」
凛が目を輝かせている。こいつがゲームで目を輝かせるなんて珍しい。機械は苦手とか言っていつもは手を出そうとしないのに。凛はPCでもメールと掲示板を見るくらいしかしない。
「凛がそんなに勧めるなんて珍しいな、もうゲーム屋で売ってるのか?」
そんな凛の様子に俺も興味が湧いてきた。はたしてこの俺のファンタジー欲を満足させるに足る一品かな?おっと涎が。
「それがね、変な話なの。掲示板には実際ルインザムで遊んだって人はいなくて……」
それは掲示板特有の悪ふざけではないか?
「でね、ルインザムを買うには全国を移動してるおもちゃ屋さんで買うしかないんだって」
ますます胡散臭くなってきた。そもそもなんだ移動するおもちゃ屋さんって。アメリカの遊園地か。
このときは凛にきっと掲示板の奴らに騙されたんだよ、といって笑いルインザムの話は終わった。
しかしこのときの俺は、まさか半年後に自分が移動するおもちゃ屋さんに遭遇するとは思ってなかったんだ……
ユーマの物語幕開けです。
といってもまだ異世界には行きませんが……