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目の前には、人がちょうど一人が入るほどの穴が完成した。
―はぁ・・・はぁ。
その穴に入れるモノは、穴のすぐそばに用意してある。しゃがみこみ、両手でソレを穴の中へ押し込んだ。手が黒い液体で汚れてしまった。いや、本来はもっと赤い色をしているのだろう。暗闇ではたいてい黒く見えてしまうものだ。手を握ると、かすかにぬめりけがあって、非常に不快だった。
-はぁ、はぁ・・・。
穴を少しずつ埋めていく中で、様々な記憶が目の前を通り過ぎていく。楽しいこともあった。一緒に笑いあったこともあった。あんなことさえしなければ、もっとうまくやっていけたはずなのに。
お前が悪いんだ、全てお前が悪いんだ。