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2つの問題

 正座した俺は向かい合わせに座るハナに訪ねた。


 ちなみに、ここは家で……家族は洗脳されました。


 家族はハナの事を柴沼家の長女として見ている。同じ学年の俺がいるのにもかかわらず、俺の姉になっているのだ。


「ハナはマズイって言ったよな」

「ああ。あれは私の客だ」

「え……」

「安心しろ。招待していない、嫌な客。倒してもよいが……あとあと面倒なことになる。特に倒したのが光の属性側につくお前の場合は」


 ハナは人差し指を俺に向ける。


「お前は光の属性を持つ魔法少女で、今まで闇の属性を持つモンスターを倒してきた。妖剣部隊長ガルハンワーを倒したのは仕方がなが、ガルハンワーは副将軍の片腕を務める。

 さらに、さっき倒したのは闇の精鋭部隊。もともと灰色の民であるの暗殺者としてきた」


 ハナはテーブルの上にあるコーヒーを一口飲んでから話を進めようとしたが、俺は疑問になっている事を聞いた。


「その前に何で灰色の民を暗殺しなければならないんだ? 灰色の民は光、闇両方の属性を持っているんだろう?」

「両方持っているから、嫌なんだろう。しかも灰色の民は光と闇、両方に情報を売る。情報を仕入れる方はいいが。暴露された方は腹がたつ。だから腹いせに情報を盗んだ灰色の民を暗殺させようとする」

「ひどいな」


 俺の感想にハナは感情なく答えた。


「それが商売というものだ。こっちは潤っているからな。それに闇の妖術部隊の隊長がカツラだった事を証明できたのは我ながら楽しいものだ」

「……」


 どう返答してよいものか……


「話を戻す。お前は闇の精鋭部隊を倒した。それにより闇の面目が潰されたということだ。闇の面目を保つため、厄介な奴がくるかもしれない」

「え……」


 何かマズイ予感がする。




 それから時間は流れ、俺とハナは何事もなく家族としての生活を送った。

 時計の針は就寝時間を指していたが、ハナは俺の部屋にいた。

 スマホだけども人の姿になれる便利な魔法少女の相方メニとトランプで遊んでいる。人が勉強(テストが近いから)している時に……

 

「ところでハナ。どこで寝んだ?」

「もちろん、この部屋で寝る」


  ……


「え、ちょっと待て。同じ部屋で寝るつもりか?」

「お前に恋愛感情は持っていない。安心しろ


 水色の目をまっすぐ向けて言ってくれたよ、即答でさ。


「でも、万が一ってあるかもしれないだろって言うよりも、男女同じ部屋だなんて俺が寝られないんだ」

「……。仕方ない、ならばこうするとしよう」


 そう言うとハナは、ハスキー犬に変化した。


「犬っ子だぁ、ハスキーだぁ」


 犬好きの俺が心から喜びの声をあげたら……ハナは唸り声をあげた。


「なぜ、怒る?」

「当たり前だ。いいか、下手な真似をしてみろ、噛み殺すからな」

「がぁん」


 ハナだからではなく、ハスキー犬に言われると、ショックが大きすぎる。


「ハナちゃん、一緒に寝よう」


 俺が凹んでいる間に柴犬風美少女メニがハナに抱きついた。羨ましすぎる。魔法少女になったら一緒に寝られるか聞きたくなってしまったよ。


「そうだな、今日は色々あって疲れたから、休むとしよう。健斗、明かりを消してくれ」


 ハスキー犬ハナは俺のベッドに上がり、お腹をくっつけ前足を伸ばして眠る体勢をとった。


「健斗、おやすみ」


 ハナにぴっとりとくっついてメニも目を閉じる。

「…………」


 俺はこれからどこで眠ればいいんだ?

 とんでもない一週間になりそうだ。



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