ミア・ソルレイジュという人
イザベラ
16歳/1月生まれ
身長165㎝(でかめ)
黒髪/目は茶
ミア・ソルレイジュ
17歳/9月生まれ
身長158㎝
ミルクティーっぽい髪/緑
こんな設定です!
私がお嬢様と出会ったのは、私が5歳の時だった。ソルレイジュ家の領地にある、教会に付属された孤児院。その小さな図書室の片隅で一人うずくまる私に、お嬢様は手を差し出した。
貴族訪問の日に隠れることが習慣になっていた私は、初めてこの場所まで足を踏み入れた人がいることに驚き、固まっていた。
「私はミア。ミア・ソルレイジュといいます。7歳になったばかりよ。あなたが1番歳が近そうに見えたんだけど…あなたのお名前を聞いてもいいかしら?」
差し出された右手を包む上等な白いシャツを見つめたまま、私は何も言えなかった。
「隣、座らせてもらうわね」
「えっ?!」
私は咄嗟に驚いた声を出した。
だって、そこはお世辞にも綺麗とは言えない場所だったから。
たまにネズミが歩いているのも知ってるし、小さい子がお漏らししても、人手不足で暫く放置されたりしているような環境だったから。
「服が汚れちゃう!座ってはダメです!」
「大丈夫よ。だって、あなたは座ってるじゃない」
ミアお嬢様はふんわりと笑って、当たり前のように腰を降ろした。
貴族の令嬢がこの孤児院を訪れたことは、今までに何度もあった。その度に突き刺さる憐れみ、蔑み、まるで珍しい物を見るかのような好奇な視線。隠しきれない嫌悪感を振り撒く人達もいた。
その度に私達の「日常」が人としての尊厳を奪われたかのような、惨めなものだったように思えた。
質素でも散らかっていても、優しい神父様と仲間がいるこの場所が大好きで、私にとってここが全てだったから。
ミアお嬢様が横に座ると、胸の辺りが温かくなっていくのがわかった。
単純に、嬉しかった。
たったそれだけの行為で、私の全てを認めて貰えたかのように思えた。
それから私達は、お互いの好きなものや、ソルレイジュ家のおっちょこちょいな庭師の話、洗濯したシーツが教会の屋根のてっぺんまで飛んでいった話、それを涙目の神父様がいかに回収したかなんかを、お腹を押さえながら語り合った。
そして別れの時。
「とても楽しい時間を過ごせました。ありがとう。…もし良ければ、私と一緒に来てくれない?
えぇと…嫌だわ、私、あなたの名前まだ聞いてなかったわね。ごめんなさい」
(私が名のらなかっただけなのに、この人は謝るんだ)
「イザベラです。ミアお嬢様のお側に、いたいです」
今度こそ私は、差し出されたその手を掴んだ。